インフレ時の不動産投資4大リスク
不動産投資は、インフレによる金融資産の目減り分への対策になりますが、不動産投資そのもののリスクが消えるわけではありません。不動産投資におけるリスクの中でも、物件の規模に関係なく起きる可能性がある、不動産投資の4大リスクをみていきます。
空室リスク
不動産投資の収入は、入居者からの家賃です。入居者が安定して更新をしてくれることで、長期的に安定した収入が確保できます。
しかし、中には借り手がつきにくい物件や、借り手がついても更新をせずに退居してしまう物件、空室の出やすい物件もあります。
このように、空室が発生することによって賃料収入が途絶える可能性のこと「空室リスク」といいます。どの物件にも起きる可能性があり、不動産投資をする方全員にとってのリスクです。
その対策として、エリアや土地条件が賃貸経営向きの物件に絞り、エリアニーズに沿った物件にすることで、空室リスクを下げることができます。さらに空室リスクを下げるには、入居者の感性や個性に沿った室内を提供し、入居者が「ここに住みたい」と強く願ってくれるタイプの物件を作り出すことです。
画一的になりがちな賃貸物件の中で「やっと、巡り合えた!」と感じてもらえるほどの、ライフスタイルとマッチした物件に出会えるのは、入居者にとっての幸運であり、大切にしてもらえます。
災害リスク
地震、台風、洪水などの自然災害と火災のリスクです。自然災害も火災も、いつ・どこで・どのように起きるかの予測がつきませんので、不動産投資をする方全員にとってのリスクといえます。
対策としては、物件を所有する際にハザードマップなどから災害の起きにくいエリアを選ぶ必要があります。中古物件の場合は、免震・耐震対策がしっかりと施されている物件を選び、オーナーは損害保険に入っておくなど、損害を最小にできるように準備をしておきます。
家賃滞納リスク
入居者が、賃料を滞納するリスクです。賃料収入が発生しなくなる上に、その部屋には人がいますので、次の入居者を探すことができないという、とても厄介なリスクです。
入居者に交渉をしても出て行ってくれない場合は、訴訟を起こさなければならないこともあり、その場合は弁護士費用がかかる上に、問題が解決するまでの間、家賃収入も入らなくなります。
対策としては、入居審査基準を厳しくし、なるべく勤続年数の長い安定した職業の方を選ぶようにします。また、保証会社加入を入居の必須条件にするなどの工夫をすることで、万が一のケースに備えることができます。
流動性のリスク
不動産を購入するためには、ある程度まとまった金額が必要になりますので、売ろうと思っても、すぐには現金化しにくいというリスクがあります。
最終的には売却できるとしても、たとえば株式やFXなどのように市場でその日のうちに現金化できる金融商品と比較すると、不動産はかなり流動性が低いといえます。
仮に、売り出した物件がすぐに売却できたとしても、売買契約・金融機関の審査・引渡しなどのプロセスに時間を要します。売却することが決まったら、これを前提に売却スケジュールを立て、計画的に動くことが対策となります。