学歴など関係ないと言われるようになって久しいですが、「学歴フィルター」が問題視されるなど、結局は「学歴が大事」という認識から抜け出せずにいる日本。実際に学歴によってどれほどの差が生じるのでしょうか。「早稲田大学」の卒業生への調査をもとに、学歴格差の現状をみていきます。
偏差値70の「早稲田大学」…エリート街道を歩む卒業生、10年後の「さすがの給与額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

いまどきの早大生は、どのような若者なのか?

私学の雄ともいわれる早稲田大学。大手予備校によると、その偏差値は学部によって異なりますが、62~70。看板学部である政治経済学部は67~70です。ちなみにライバルと称される慶應義塾大学は60~72、東京大学は67~72だそうです。

 

その偏差値から、早稲田大学に通う学生はエリート候補生。『2021 年度 早稲田大学学生生活・学修行動調査報』では、学生たちの一面を垣間見ることができます。

 

まず早大生になる前、中学、高校での成績について。

 

「中学3年の時と高校3年の時の成績は、あなたの通っていた学校のなかでどのあたりでしたか」。上位(「上の方」「やや上の方」の合計)との回答は、中学で77.4%、高校で68.9%。通っていた学校のランクにもよりますが、やはり圧倒的に成績上位の生徒が早大合格を勝ち取っています。一方で、下位「下の方」「やや下の方」の合計)も中学で10.4%、高校で13.3%いました。

 

そもそもなぜ早稲田大学を選んだのか。最も多い理由が「知名度・注目度の高さ」で60.5%。「将来の進路・就職に有利」「社会的評価の高さ 」「自分の志望する専門分野があった」と続き、これらの理由が50%を超えています。

 

早稲田大学を選ぶ理由はさまざまですが、学生である以上、学ぶことが本分。授業の平均出席率は「90~100%」が75.0%、「80~90%未満」13.3%と、8割以上が9割弱を占めています。また大学の授業の予習・復習の時間として、「1~2時間未満」が33.4%。「1時間未満」25.4%、「2~3時間未満」20.2%と続きます。自身が学生の頃と比べて、いまどきの学生は随分と勉強をしている……そんな印象をもった人も少なくないのではないでしょうか。

 

学生生活における不安・悩みを聞いたところ、「悩みはない」が20.1%。8割は何かしら悩みや不安があり、最も多いのが「進路・就職など」で55.0%。「性格・能力」32.1%、「対人関係」31.7%、「精神面での健康」27.5%と続きます。当調査はコロナ禍2年目、2021年の6~7月に行われたもの。対人関係や精神的な悩み・不安は、時期的に高い値を示したかもしれません。