老若男女、約8割の日本人が口にする老後不安。当事者となった高齢者でも6割強が不安を抱えているといいます。その元凶といえるのが、やはり「お金」。老後の生活不安の先にあるものとは……みていきましょう。
年金月平均14万円だが…「もう、生きていけない」日本の高齢者が手を染める、最悪の結末 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本の高齢者…毎月暮らしていくのに必要なお金は30万円強だが

収入は限られるし、医療や介護費も天井知らず……将来不安は誰もがもつものですが、特に老後に対しての不安は、老若男女、共通のものです。金融広報中央委員会『令和3年 家計の金融行動に関する世論調査』によると、77.0%が「老後の生活が心配である」と回答し、20代~50代では8割以上に達します。実代で際に老後を迎える60代以降はその数が低下するものの、60代で70.1%、70代で62.4%が「不安」と答えていることから、毎日の日常に不安を抱えている高齢者が大多数という現状が垣間見ることができます。

 

高齢者が抱える不安とは、なんなのでしょうか。心配の理由をたずねたところ、60代以降で最も多いのが「年金や保険が十分でないから」で、60代、70代ともに6割を超えています。

 

そんな老後の生活資金、やはり8〜9割以上が年金が頼りという事情を垣間見ることができます。また足りない分は貯蓄を取り崩す、というのが一般的なイメージですが、生活資金として貯蓄をあげているのは3割ほど。意外とその他で足りているのか、またはあてにするほど貯蓄がないのか……微妙なところです。

 

【老後における生活資金源】

就業による収入:39.5%/20.2%

公的年金:83.9%/89.4%

企業年金・個人年金・保険金:40.7%/33.7%

金融遺産の取り崩し:31.4%/30.3%

利子配当所得:8.9%/11.2%

不動産収入:5.3%/7.0%

子どもなどからの援助:1.3%/1.9%

国や市町村などからの公的援助:2.6%/2.0%

 

出所:金融広報中央委員会『令和3年 家計の金融行動に関する世論調査』より

※数値左:60代、右:70代、3つまで回答

 

では実際に、どれほどのお金が必要となるのでしょうか。同調査では「老後のひと月当たりの最低予想生活費」として、60代では32万円、70代では31万円と回答。また「年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」として、60代で2,081万円、70代で1,917万円としています。

 

厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金受給者の平均受取額は月額5万6,358円、厚生年金受給者の平均受取額月額14万6,145円。厚生年金について65歳以上・男女別にみていくと、男性平均17万0,391円は、女性平均は10万9,205円。

 

あくまでも平均値ではありますが、年金だけで生活するのは難しく、貯蓄等、そのほかの収入に頼らざるを得ない、というのが、日本の高齢者の暮らしです。