学歴など関係ないと言われるようになって久しいですが、「学歴フィルター」が問題視されるなど、結局は「学歴が大事」という認識から抜け出せずにいる日本。実際に学歴によってどれほどの差が生じるのでしょうか。「早稲田大学」の卒業生への調査をもとに、学歴格差の現状をみていきます。
偏差値70の「早稲田大学」…エリート街道を歩む卒業生、10年後の「さすがの給与額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

早稲田大学卒業生の10年後…エリート街道を歩んいるのか?

一方、早稲田大学を巣立った学生は、どのようなキャリアを辿っていくのでしょうか。卒業後10年前後の元早大生に聞いた『2021年度 早稲田大学卒業生調査』でみていきましょう。

 

まず早稲田大学の卒業生、「4年間で卒業」は81.8%。約2割が、留年や休学等で、5年以上在籍をしています。また「学部在学中に熱心に取り組んでおけば良かった……」と後悔していることのトップは「専門科目」で64.5%。早大生に限らず、多くの人が卒業してから気づくことかもしれません。

 

学部卒業後、「就職した」のは63.3%。0.5%ですが「自分で事業を始めた」というケースも。また就職の際に、最も重視したのは「業種」で34.8%。そして卒業後10年前後経過したいま、新卒時の会社にいる人は54.5%、転職をした人は41.2%でした。

 

現在の就業形態は「正社員」が81.3%。30代前後にして「役員」が3.4%。「非正規」は4.5%、「自営業が」3.4%。「就業していない」は3.8%。また働いている企業の規模は「1,000人以上」が最も多く62.0%。一方「29人以下」は9.0%でした。

 

そして最も気になる年収は「500万~599万円」が最も多く、18.4%。「600万~699万円」が16.6%、「400万~499万円」が13.0%、「700万~799万円」が11.1%と続き、「1,000万円超え」が10.7%。早稲田大学では、卒業した10人に1人は、10年後、1,000万円プレイヤーになっています。

 

【早稲田大学卒業生「10年後の年収額」】

「収入なし」3.2%

「200万円未満」3.6%

「200万~299万円」2.1%

「300万~399万円」5.1%

「400万~499万円」13.0%

「500万~599万円」18.4%

「600万~699万円」16.6%

「700万~799万円」11.1%

「800万~899万円」8.9%

「900万~999万円」5.1%

「1,000万~1,499万円」8.3%

「1,500万円~」2.4%

「わからない、答えたくない」2.3%

 

出所:早稲田大学『2021年度 早稲田大学卒業生調査』

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、前出調査対象と同学年である30代前半大卒平均年収は推定496万円。男性に限ると527万円、女性では435万円です。早稲田大学卒業生の多くは、同年代よりも高給取りといえるのではないでしょうか。

 

早稲田大学の卒業生は、卒業時点でエリート候補生といえる存在。例外はあるものの、卒業してから10年後、多くが順調にエリート街道を歩んでいます。