家賃が高い…約5割の賃貸派が負担感を抱いている
日本の持家率はおよそ6割。残り4割は賃貸暮らしということになります。国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査』によると、三大都市圏の平均家賃は7万5,259円。首都圏に限ると、8万1,550円でした。また共益費の平均は5,362円。だいたい月々8万円ほど住居費に割いている、というのが、日本の賃貸派の平均です。
「仕事でほとんど家にいないから、家賃にお金をかけたくない」とか「在宅ワークだから、住み心地にはこだわりたい」とか、家に対するこだわりは人それぞれ。家にどれほどお金をかけられるかも人それぞれです。家賃の負担感を聞いたところ、「負担感がある」は48.9%(「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」の合計)」。「今月は生活が苦しいから、家賃を節約しよう」ということは難しいですから、物件を選ぶ際には慎重を期したいものです。
実際、賃貸暮らしについては「お金にまつわるトラブル」はよくあるもの。同調査で賃貸暮らしで困った経験の有無を尋ねたところ、「困った経験あり」が27.0%と4人に1人。その内容で最も多いのは、「敷金・礼金などの金銭負担」で44.5%。納得のうえで仕方がないことだけど「痛い出費だなあ……」そのようなところでしょうか。
【賃貸暮らしで困ったこと】
敷金・礼金などの金銭負担:44.5%
近隣住民の迷惑行為:39.4%
連帯保証人の確保:27.1%
家主・管理会社の対応:25.2%
修繕費用の不明朗な請求:24.5%
家賃、敷金の清算:17.4%
印鑑証明などの必要書類の手配:14.2%
出所:国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査』より抜粋
これらの結果をみていくと、賃貸派の人たちは、家賃に対してちょっと無理している人が結構いる、という現状がみえてきます。それでなんとか暮らしていけるのであればいいのですが、たとえば昨今の急激な物価高。生活を切り詰めても切り詰めても、どうにもならないという事態に直面することもあるでしょう。総務省が発表する消費者物価上昇率をみると、低収入ほど、物価高に対して厳しいやりくりを迫られている実情が浮き彫りになっています。「家賃、ちょっと高いけどいいか……」と判断した自分を呪いたくなる人も多いのではないでしょうか。
【世帯年収別「消費者物価上昇率」】
463万円未満:2.4%
463万~606万円未満:2.2%
606万~751万円未満:2.1%
751万~962万円未満:2.1%
962万円以上:2.0%
出所:総務省
※2022年6月、前年同月比