パンデミックによるルートへの影響
2019年と2022年の最初の6ヵ月間のルートを比較すると、そこには明確な変化が見られる。
図2を見ると、2019年のブリティッシュ・エアウェイズのトップルートはロンドン・ヒースロー空港発バルセロナ行き、イージージェットはロンドン・ガトウィック空港発アムステルダム行き、ライアンエアーはロンドン・スタンステッド空港からリスボン行きだった。
図2と比較すると、図3では、ブリティッシュ・エアウェイズのトップルートはロンドン・ヒースローからジュネーブへ、イージージェットはロンドン・ガトウィックからジュネーブへ、ライアンエアーのトップルートはロンドン・ガトウィックからダブリンへとなっている。
図4は、2019年に運航していた路線数を、2022年上半期に運航していた路線数と比較したものだ。
VV Aviationの航空機飛行履歴データ使用により、上記のようにルートの合理性を可視化することができる。
パンデミック後の需要
図5は、航空会社による2022年1月から6月までの前月比の運航便数を示したものだ。
2022年最初の3ヵ月間は4月以降の運航便数の増加率が高く、この時点で成長率が減少し、5月にはさらに横ばい、減少した。
結論
新型コロナウイルス感染症とそれに伴う旅行の低迷は、民間旅客業界に深刻な打撃を与え、混乱の速度と不確実性の規模が業界の雇用に深刻な影響を及ぼした。 いまだその反発はあるようで、(おそらく当然のことながら)スタッフの採用と配置が大幅に困難であることが判明した。
業界の回復力を高めるという点では、学ぶべきことがある。特筆すべき点は、景気後退期を乗り切るだけでは十分ではなく、回復期を生き抜くことも同様に重要であるという点だ。
著者:Paul Saupe - VV Aviation ADS-B Analyst
日付: 2022年8月