内閣府が定期的に行っている『国民生活に関する世論調査』。その結果をみてみると、40代の満足度がひと際低いことに気づかされるでしょう。家庭でも会社でも、何かと大変な年代ではありますが、それだけが理由ではなさそうです。みていきましょう。
手取り20万円…「氷河期世代」の40代、65歳で手にする衝撃の年金額 (※写真はイメージです/PIXTA)

40代で手取り20万円…給与下位10%に待ち受ける、シビアな年金生活

40代といえば、住宅ローンに、子どもの教育費と、何かにつけて出費がかさむ時期。会社では中間管理職で、上と下とに挟まれ四苦八苦……という人も多いでしょう。しかしこれはうまくいったケースといえます。

 

内閣府『日本経済2019-2020』によると、就職氷河期世代は新卒時の就職率が低く、ほかの世代の新卒に比べて、大卒で10ポイント近く低くなっています。また男性の正社員の割合が、他の世代よりも低く、非正規社員が多いのも特徴です。新卒時に正社員になれずに社会に放り出され、十分なキャリアを積めないまま今に至る人が多いわけです。

 

もちろん40代のすべてが学卒時に満足いく就職ができず、十分なキャリア形成ができなかったわけではなく、同世代でも順風満帆にキャリアを積んできた人もいます。「そうである人」と「そうでない人」のギャップの激しい世代だといえるでしょう。

 

たとえば40代前半の大卒サラリーマンの月収の中央値は37.4万円、手取りで27万~28万円程度。一方、上位10%は月収58.5万円、手取りは42万円程度、下位10%は月収26万円、手取りで20万円程度になります。

 

40代前半、会社でも重要なポジションについている人もいれば、40代にして手取り20万円程度と、その日の生活で精一杯……という人までいるわけです。

 

生活苦は、一生続くといっても過言ではありません。仮に40代前半で下位10%の給与であった場合、以降も平均的な給与をもらい続けるとすると、年金受給開始となる65歳、手にするのは老齢基礎年金が6.4万円、老齢厚生年金が6万円、合計して月12.4万円ほどしか手にできません。

 

これは正社員も非正規社員も含めた下位10%の給与をもとに計算したもので、ずっと非正規社員という人に限ると、さらに2万円ほど月の年金額は少ないと考えられます。

 

この年金額で暮らしていけるか否かは、その人のライフスタイルによって違うので、一概に足りる/足りないは言えませんが、生活費の不足分は貯蓄を取り崩して対応する老後。下位10%の人たちに、老後のために十分な貯蓄ができるとは考えにくく、生活苦は一生続くといってもいいでしょう。

 

ずっと不遇の氷河期世代。せめて頑張ってきた先にある老後くらいは「満足」といえるような生活を送ってほしいものです。