多くの会社員の夢であるマイホーム。30代で購入、定年前にローンを完済し、老後のための貯蓄を本格化させる……そんなプランが一般的でしたが、いまどきは違うようです。最近の住宅購入事情をみていきましょう。
定年後も苦しい…60代でもローン地獄から抜け出せない、サラリーマンの辛酸 (※写真はイメージです/PIXTA)

フラット35の利用調査にみる住宅ローンの活用傾向

マイホームを実現しようとなると、ほとんどの会社員が住宅ローンを活用することになります。マネープランは人それぞれ、最適な方法で返済することになりますが、周りはどうしているのか気になるところ。そこで住宅金融支援機構『2021年度 フラット35利用者調査』で、最近のローン利用について確認してみましょう。

 

まずはフラット35について簡単におさらいすると、そもそもフラット35は「全期間固定金利型住宅ローン」。国土交通省と財務省が所管していた住宅金融公庫の業務を引き継いだ独立行政法人の住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して融資を行います。

 

「返済期間は最短15ねん、最長35年」「融資額は100万~8,000万円」「保証人が不要」「団体信用生命保険に加入できなくてもローンが利用できる」といった特徴があります。

 

契約者に関しての条件は、以下の4点「①申し込み時の年齢が満70歳未満」「②日本国籍」「③返済負担率が基準値以下(年間返済負担額が、額面年収入400万円未満の人で30%以下、400万円以上の人で35%以下)」「④申込本人またはその親族が居住する住宅に使用」。さらに住宅に関しての条件は以下の2点「①住宅金融支援機構が定めた技術水準を満たす住宅」「②床面積が一戸建てで70平方メートル以上、共同住宅で30平方メートル以上」。

 

勤務形態や職業、勤続年数などに制限が少なく、より幅広い人が利用できる住宅ローンです。ではその利用状況をみていきます。

 

融資区分

融資区分についてみていくと、「注文住宅(注文住宅+土地付注文住宅)」が43.4%、「戸建て住宅」が23.6%、「新築分譲マンション」が8.2%、「中古戸建」が12.7%、「中古マンション」が12.0%。中古住宅が戸建てとマンション合わせて24.7%と、2004年調査開始以来最も多くなりました。

 

もともと日本人は新築志向が強いですが、高騰し続ける不動産価格、予算的に魅力の中古不動産に注目が集まっていること、またリフォーム・リノベーションにより個性を活かせる中古住宅の人気が高まったことが要因と考えられます。