管理職割合の差が顕著に…30代から一気に開く男女の「給与額」
では、問題となっている男女間の給与額について、実際のところどれほどの格差が生じているのでしょうか。
正社員の給与は平均月35万円、手取りで27万円、年収で推定522万円です。男女別にみてみると、男性は月38万円、手取りで29万円、年収で推定571万円。一方で女性は月29万円、手取りで22万円、年収は推定421万円。およそ、年150万円もの給与差が生じています。
さらに年齢別にみていくと、20代前半では男性平均月24万円、女性平均月23万円と、わずかだった給与差が、30代前半になると、男性は月34万円、手取りにすると26万円。それに対し、女性は月28万円、手取りにすると22万円と格差は拡大。さらに50代には200万円もの年収差になるのです。
このような状況では、とても「男女平等に向けた取り組みが進んでいる」とは言えそうもありません。
【「男性」正社員と「女性」正社員の推定年収の推移】
20~24歳:3,400,800円/3,148,900円 (251,900円)
25~29歳:4,284,900円/3,830,100円 (454,800円)
30~34歳:4,988,200円/4,027,400円 (960,800円)
35~39歳:5,602,500円/4,308,700円 (1,293,800円)
40~44歳:6,060,200円/4,560,200円 (1,500,000円)
45~49歳:6,428,300円/4,640,000円 (1,788,300円)
50~54歳:6,926,900円/4,846,200円 (2,080,700円)
55~59歳:6,949,000円/4,787,700円 (2,161,300円)
60~64歳:5,299,500円/4,044,000円 (1,255,500円)
出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出
※数値左:男性、右:女性、カッコ内は差額
「ジェンダー・ギャップ指数2022」報告書では、世界で完全な男女平等を実現させるのにあと132年かかると指摘されています。
こうしたなか、男女平等の後進国である日本においても、家事育児の分担や男性の育休取得率向上など、個人や会社単位ではじめられることから、女性の負担を軽減する公共サービスや介護インフラの整備など、国をあげて取り組むべきことまで、さまざまな施策についての改善・推進が必要だといえそうです。