2025年、「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、日本がさらに超高齢化社会となるとされ、「2025年問題」と騒がれています。良くも悪くも存在感を発揮してきた団塊の世代ですが、その子ども世代である「団塊ジュニア」は、ボリュームは多いわりに話題に上ることは少なく、「忘れられた世代」と称されることも。しかし彼らは今後日本に起こる、さまざまな問題の元凶となる世代でもあるのです。みていきましょう。
手取り20万円…忘れられた非正規の「団塊ジュニア」これから始まる、日本への復讐 (※写真はイメージです/PIXTA)

50代に達する団塊ジュニア…その影で一度も報われることのなかった非正規社員が

厚生労働省『令和3年簡易生命表』によると、日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、東日本大震災が発生した2011年以来、平均寿命は縮みました。とはいえ、日本が長寿国であることは変わらず。そして長寿国であるからこそ、日本の高齢化はさらに加速しているといえるでしょう。

 

2022年版の『高齢社会白書』によると、日本の高齢化率は28.9%。そして2022年は、戦後の第1次ベビーブームで誕生した「団塊の世代」が後期高齢者となる起点の年と言われています。

 

日本の人口構造を人口ピラミッドで見ていきましょう。

 

出所:総務省『人口推計』より作成
出所:総務省『人口推計』より作成

 

日本の場合、ピラミッドとは名ばかりで、つぼのような形をしています。そしてちょうど一番のボリュームとなっているのが団塊の世代。800万人を超える人たちがいるとされています。そしてもうひとつのボリュームゾーンが、団塊の世代の子ども世代にあたる「団塊ジュニア」です。

 

1971年から1974年に生まれた人たちで、2022年に47歳から51歳になる人たちです。各年代90万~100万人強もいるので、その存在感は大きなものがあるでしょう。

 

ちょうど団塊ジュニアの第1陣は50代を迎えていますが、50代は人生史上、収入が最高値に達するタイミング。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒・男性・正社員の50代前半の平均月収は53万3,200円。推定年収は841万円に達します。

 

まさに会社員としてのピークに達するわけですが、全員がそれを体験できるわけではありません。社会に出てから一度も報われたことのない人たちが多いのも、団塊ジュニアの特徴です。

 

団塊ジュニアは、バブル後の就職氷河期のまさに走りの世代。それまでは、内定者を他の会社に取られるまいと、「企業から豪華な食事をプレゼントされた」というような景気の良い話を聞かされていました。そしていざ自分たちの番となったら、一気に就職難に。「大学を卒業したのに職無し」というのも珍しくありませんでした。

 

仕事をしないと生きていけませんから、非正規社員でもいいからと、多くの人が苦渋の決断をして社会へと出ていったのです。「いずれ景気が良くなったら……」。そんな思いもあったのでしょう。しかしその後も雇用環境は改善されず、気づけは50代、一度も正社員になったことがない......そんな人が大勢いるわけです。

 

同じ大卒でも、正社員でなかったら。50代前半での月収は27万円、手取りで20万円たらず。そんな給与で暮らしている人も多いわけです。

 

【大卒・男性、正社員の給与の推移】

20~24歳:255,100 円(211,100 円)/3,415,500 円(2,590,500円)

25~29歳:307,400 円(241,400 円)/4,518,400 円(2,992,500円)

30~34歳:358,000 円(246,000 円)/5,335,200 円(3,057,600円)

35~39歳:411,700 円(251,300 円)/6,252,200 円(3,139,900円)

40~44歳:446,200 円(256,100 円)/6,844,800 円(3,225,300円)

45~49歳:483,500 円(262,300 円)/7,480,400 円(3,320,600円)

50~54歳:533,200 円(273,500 円)/8,418,800 円(3,446,700円)

55~59歳:533,200 円(264,900 円)/8,334,000 円(3,385,400円)

60~64歳:446,400 円(290,700 円)/6,497,600 円(4,101,600円)

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出

※数値「/」より左、月収、右、推定年収。(かっこ)内非正社員の数値