※画像はイメージです/PIXTA

外資系企業を中心に、現金で支払う給与のほかに、インセンティブとして株式を付与する制度「RSU(ストックアワード)」を取り入れるケースがあります。その場合、確定申告はどうなるのでしょうか、サラリーマンの節税相談で定評のあるトランス税理士法人の中山慎吾税理士が、RSUやストックオプションの税務申告について解説していきます。

RSUやストックオプションがあるサラリーマンの悩み

筆者では確定申告の後に、翌年以降の税金の見通しのシミュレーションなどを打ち合わせしております。その打ち合わせの中でRSUやストックオプションがある方から多く挙がる共通の悩みとして、以下のようなものがあります。

 

 ・給与収入が増えたとしても税金を支払う影響で手元資金が増えない

 ・確定申告の計算が合っているか不安

 ・納税資金の捻出が大変

 ・株価に左右されるため金額が読めない

 ・為替の動向を考えなければならない

 ・不本意に自社株を売却する羽目になる

 

また、インターネットの検索窓で「RSU」と入力すると、「税金高い」「税金対策」「税金払えない」といったワードがサジェストで出てきます。これは、RSUに関して税金が高いという検索が多いことを意味しています。RSUやストックオプションがある方にとっては、共感されることが多いのではないでしょうか。

 

実際にRSUやストックオプションで給与を貰っている方々が直面する問題は次の3つが挙げられます。

 

①確定申告後の納税

先ほど判例でも述べた通り、確定申告をするとRSUやストックオプションの源泉徴収されていない分が課税対象額に上乗せになるため、納税になります。納税の可能性がある確定申告は3/15までに税務署へ申告を提出しなければなりません。

 

税務署へ申告を提出した後はすぐに税金を納めないと延滞税が発生します。確定申告を作成しないと納税額が決定しないため、予め資金調達をしておくのはなかなか難しいと思います。また課税対象額が上がったことによって税率も上がる場合があり、想像していた金額より多いという方もいます。

 

②住民税

住民税は前年の所得に応じて6月から徴収が始まります。税率は一律10%ですが、先ほども述べた通り課税対象額が上がるため給与から差し引かれる住民税も上がります(手取りが減ります)。

 

③予定納税

予定納税とは、確定申告時の納税額が15万円を超えた方が、予定納税基準額の3分の1を7月に、さらに3分の1を11月に予め納める制度です。予定納税は7月頃に税務署から通知が届くので、第1期を7月31日までに、第2期を11月31日までに納付しなければなりません。

 

注意しなければならないのが、予定納税という名前ではあるものの、第1期と第2期は期限が決まっており、期限内に納税をしないと延滞税がかかってしまいます。

 

知っている方は多くはありませんが、実は予定納税は減額申請をすることができます。筆者のお付き合いのある方からも、業績が悪化してしまったためRSU分の支給が前年に比べて大幅にカットされる見込みとなり、給与年収が下がることが明らかなので、予定納税を払うのが厳しいという相談がありました。

 

このような相談が何件かあったため、予定納税の減額申請制度の案内をし、その制度の活用をサポートさせていただきました。また、予定納税の減額申請にも第1期は7月15日まで、第2期は11月15日までという期限があるため、注意が必要です。

 

 

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