手術は「全身麻酔」か「局所麻酔」
カテーテルアブレーションの手術をする際、麻酔は「全身麻酔」と「局所麻酔」のどちらも使われています。しかし、筆者のクリニックでは、ほとんど「全身麻酔」で手術を行っています。
なぜ筆者が全身麻酔で行うかというと、全身麻酔を使用し、落ち着かせた状態でアブレーションをしたほうが、治療成績がいいからです。
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これは、2011年に発表されたデータです。縦軸は成功率、横軸は経過日数です。
鎮静麻酔(=ただ単に眠らせただけ)をかけて治療を行った場合と、全身麻酔をかけて治療を行った場合を比較すると、全身麻酔を行ったほうが、明らかに治療成績がいいことがわかるでしょう。
なぜかというと、心臓は呼吸と共に細かな上下運動を繰り返しているから。焼灼するポイントはミリ単位であり、とても繊細な技量が求められる治療です。しかし、呼吸とともに心臓が上下運動を繰り返すと、焼灼場所がずれてしまう可能性もあります。
そのため、全身麻酔をかけ、呼吸器を使用して完全に呼吸をコントロールすれば、心臓の動きが極めて小さくなるため成功率が上がり、また安全性も高くなります。
しかし、全国の医療機関のうち、全身麻酔でカテーテルアブレーションを行っているところは10%に満たないのが現状です。その背景には、設備や人員の問題、医師の考え方の違いなどさまざまあります。
また、一概に「全身麻酔がいい」とはいえない場合もあります。たとえば心室性期外収縮のケースです。
この不整脈の患者さんのなかには、夜間就寝時に不整脈が消えてしまっているようなことがあります。そういう患者さんでは、全身麻酔を実施すると不整脈がなくなるため、局所麻酔のほうが成功率は高くなります。
このように、必ずしも「全身麻酔がいい」「局所麻酔ではダメ」というわけではなく、症例や状況をみながら決定する柔軟性が必要です。
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