準富裕層はインカムリッチ・プロフェッショナル
準富裕層に当たる人たちの職業で多いのは、いわゆる「インカムリッチ・プロフェッショナル」という高収入の専門職です。たとえば以下のような職業をイメージすると分かりやすいかもしれません。
- 弁護士
- 公認会計士
- 税理士法人などの役員
- 外資系企業の経営幹部
- 金融機関やITおよび経営コンサルティング分野の専門家
- キャリア10年以上の医師など
彼らは収入が多いだけあって仕事は激務な傾向で長時間労働を強いられるため「稼いだお金を使う暇がない」という人が多いとされています。一方、日常のストレスを散財で解消し貯金ができない人も少なくないようです。
このほか夫婦共働きで退職金を受け取った公務員の家庭なども当てはまるでしょう。なぜなら夫婦2人の退職金だけで4,000万~5,000万円程度の金額を受け取るケースが多いからです。この退職金だけを見ても、定年まで勤めあげた公務員は自動的に準富裕層になれる計算になります。
超富裕層や富裕層と準富裕層の違い
一般的な感覚で見ると、準富裕層であっても富裕層の一部であり、このクラスより上の人たちは総じてお金持ちに見えることでしょう。しかし、いずれも「富裕層」と呼ばれているものの、準富裕層とそれ以外の富裕層には大きな違いもあります。
まず言えることは、先ほどの公務員の退職金からもわかるように準富裕層は給与所得者も多く含まれている点です。退職時に多額の退職金を受け取ることにより、それだけで準富裕層の仲間入りをする人が多くいます。
それに対して富裕層や超富裕層は退職金レベルでは到達できないため、企業経営者や資産家など、特殊な人が多い層とも定義できます。
また、富裕層や超富裕層の中にはかつての準富裕層だった人たちもいます。先ほど示した10年間の伸び率でも富裕層と超富裕層は高い伸び率であることが明らかになりました。この中には準富裕層からさらに資産を増やして、富裕層や超富裕層に「格上げ」した人たちが多く含まれています。
その主な原動力となっているのは、株価の成長です。資産の多くを株式で保有している人は株価の上昇によって資産額が大きくなるため、企業の創業者や大口の株主などが恩恵を受け、準富裕層から富裕層以上のクラスになったケースも多いと考えられます。
こうしたことから言えるのは、「富裕層以上を目指すのは難しくても準富裕層なら目指せる」という現実味です。今はマス層だとしても、努力や知識次第で準富裕層になることは十分に可能と言えます。
準富裕層に共通する特徴
準富裕層を目指すにあたって、準富裕層と呼ばれる人たちの特徴をマスターしておきましょう。その特徴を知ることで、目標設定がより明確になります。
①健康意識が高い
誰もが健康でありたいと願うのは当然のことですが、富裕層と呼ばれる人たちのそれは次元が違います。健康意識がとても高く、健康であることこそ最大の財産であるという考え方もあります。
さまざまな調査から富裕層の人たちにとって健康増進が大きな関心事であることが明らかになっており、健康のためには多額のコストもいとわないのが特徴です。どれだけ資産があっても人生を謳歌するには健康でなければならないというのは、自然な考え方でしょう。
健康でなければ仕事を頑張ることもできないので、高い健康意識を持つことは準富裕層を目指すための大切な第一歩です。
②ポジティブ思考
身体だけでなく精神的にも健康を求めるのが富裕層の特徴です。そこで重要になるのが心の持ちよう、つまりポジティブ思考です。
どんな人にも逆境やうまくいかないことはありますが、それを「今後に向けたチャンス」「新しい気づきが得られた」といったようにプラスに捉えることはポジティブ思考の基本になります。
「自分ばかり辛い思いをしている」と考えると、良いアイディアや人間関係も遠ざかってしまいます。常に前向きに、どんなことでも自分の糧にする思考を持つことが大切です。
③本質的価値観
一般的な価値観と富裕層の価値観には、大きな違いがあります。それは、本質的価値への判断力です。
人は高価なものを価値があるものと考えてしまいがちですが、富裕層はそれが自分にとって価値を持っているか、自分の人生に資するものかを判断基準にします。
たとえ高価なものであってもその値段以上の価値をもたらすと判断すれば買い、逆に値段だけの価値がないと判断すれば100円ショップの商品ですら買わないのが富裕層です。
車や腕時計といったステータスシンボルについても、同様です。一般的な価値観だと高価であるだけでなく目立つものを欲しがる相対的な判断をする傾向が強いですが、富裕層は値段ではなく自分にとって有益であるかの物差ししかなく、絶対的評価です。
大衆車であってもライフスタイルに合致しているのであれば購入し、どの車に乗っているかで他者と比較することもないでしょう。
これが富裕層の本質的価値観です。準富裕層の人たちもこうした価値判断をする人が多く、自分にとって本当に価値のあるものかを判断することを習慣づけると無駄遣いがなくなってお金が貯まりやすくなります。
④具体的で壮大な目標
物事を成功させるには、目標設定が必要です。しかし、「準富裕層になる」という目標を立てたとしても、それは単に壮大なだけで具体的ではありません。
具体的な目標設定には必ず、数値と期限があります。いつまでにどれだけの年収を得て、どれだけの資産を保有するか。そして、その資産をどれくらいの年利で運用して増やしていくか、といったように、具体的な数値に裏づけられた目標を持ちましょう。
具体的な目標を設定すると、そこから逆算していつまでにどんな行動をするべきなのかが見えてきます。準富裕層は一代で成功している人が多く、そのほとんどは緻密な目標を設定し、そのために無駄のない行動をしています。