厚生労働省によると、賃金は4ヵ月連続で上昇するも、物価高がそれを上回り、生活が苦しくなる一方。なかでも、この20~30年の給与の下落幅が大きく、回復も遅れている40代は、苦境に陥っている人が大勢いると考えられます。みていきましょう。
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同じ40代だが…正社員と非正社員の間に広がる、えげつない給与格差
悲運の年代といわれる現在の40代ですが、そのなかでもさまざまな人がいます。就職活動は困難を極めましたが、順風満帆に歩んできた人。頑張っても這い上がることができなかった人。「生まれた時代が悪かった」と諦めてしまった人……。
厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、40代前半男性の平均月収は39万6,500円、手取りにすると29万円程度です。
正社員に絞ってみていくと、月収は40万4,300円、手取りで30万円程度。年収は推定606万円ほどになります。一方、非正社員の月収は25万6,100円、手取りにすると19万円程度、年収は322万円ほどです。
非正社員では賞与などが期待できず、正社員と比べて倍近くの給与差が生じています。また月の手取りが20万円未満という水準では、昨今の物価高は相当苦しいはずです。もちろんあえて非正社員を選んでいる人もいます。しかし頑張っても非正社員という人たちは、この状況をどのように感じているのでしょうか。
岸田総理は「新しい資本主義」を掲げ、「投資」をテーマに日本を成長軌道にのせようとしています。その重点投資のひとつが「スキルアップを通じた労働移動の円滑化」。非正社員を含め、能力開発支援、再就職支援などを通し、100万人程度が利益を受けると想定しています。努力が報われなかった人たちが、どうか、この100万人のなかに含まれていることを願うばかりです。