(※写真はイメージです/PIXTA)

出生率の低下は、新型コロナウィルス拡大の影響により、輪をかけて減少傾向にあります。そんな日本の子どもの出生にまつわる意外な統計について解説します。

日本の出生数は、この46年間で約58.41%減少

少子高齢化が叫ばれて久しく、日本の出生数は長年、減少傾向にあります。

 

厚生労働省が公式発表している次の図表1から、出生数の推移を見て取ることができます。

 

図表1【1950年~2019年 出生数、合計特殊出生率*の推移】(厚生労働省)

 

*合計特殊出生率とは「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」です。

 

1971年~1974年に、第二次ベビーブームが到来しました。戦後の第一次ベビーブームに誕生した″団塊の世代”が、一般的に世帯をもつ年齢となったことで、出生数が大幅に続伸したためです。

 

この第二次ベビーブーム期間内の1973年に、出生数は約209.2万人に達し、1952年~2019年の67年間で、最も高い数値を記録しています。この1973年をピークに、令和元年(2019年)の約87.0万人に至るまで、出生数は急激な減少傾向にあることを、見て取ることができます。

 

すなわち、出生数はこの46年間で約122.2万人減少しており、減少率は58.41%となります。さらに、20年後の令和22年(2040年)には、出生数が約74.0万人にまで落ちこむことが類推されています。

 

出生数減少の背景は、人口の減少、平均初婚年齢の上昇、非正規雇用者の増加など、実に様々な要因が互いに影響し合っているといえます。

 

一方で、一般的に「婚外子」と通称されている、両親が戸籍上の婚姻関係を結んでいない子どもの割合は、ゆるやかですが、上昇傾向にあります。図表2をご覧ください。

 

図表2【嫡出子*-嫡出でない子別の年次別出生数及び百分率 】(厚生労働省)

*嫡出子(ちゃくしゅつし)とは、両親が戸籍上の婚姻関係を結んでいる子どもを指します。

 

図表2の1番右端の行に記されている、嫡出子(ちゃくしゅつし)ではない子どもの割合に注目してください。昭和60年(1985年)の1.0割から、令和元年(2019年)の2.3割まで、ゆるやかでありながら着実に上昇していることが分かります。

 

この34年間で、前年度と比べて上昇、もしくは横ばいをしていないのは平成19年(2007年)の0.1割減と、平成29年(2017年)の0.1割減のみです。その他の32年間のうち、11年は前年度より上昇しており、9年は横ばいです。

 

(※1985年は図表に前年の記載がないため数えておりません。1986年~1989年、1991年~1994年は調査を実施していないため、数えておりません。)

 

平成25年には民法の一部が改正され、嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になりました。そのため、配偶者の死後に相続争いに発展するケースも見られます。

 

一夫多妻制が法律で認められていない日本の、意外な一面といえるでしょう。

 

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