不動産投資は早く始めれば始めるほど良い
先ほども少し触れたように、不動産投資は長期的に取り組むものであって期間が長くなるほどメリットが大きくなるので、できるだけ早く始めるのが理想です。
ローンという他人資本を使って物件を購入し、そこから入ってくる家賃収入をローンの返済に充当すれば、実質的に自己資金だけの負担で不動産が自分のものになります。この効果をより大きくするには投資期間を長くするのが最も有効なので、「早ければ早いほど有利」となるわけです。
無理をしてまで早く始めることにこだわるのはリスクが高いですが、十分な資金があってローンの審査に通るだけの属性がある方であれば、早く始めたほうが将来に向けた資産形成の効果が大きくなります。
年代別で考える不動産投資の始め方
長い人生のうち、不動産投資を始める年代も人によってさまざまです。それぞれの年代別に不動産投資を始めるのにあたって知っておくべきポイントを解説します。特に若い世代の方ほどしっかりとポイントを理解しておくと不動産投資を有利に進めることができるので、要注目です。
20代の場合
あらゆる年代のなかで最も若い20代の方々にある最大の財産は、時間です。
これから長い現役世代を過ごしていくなかで、不動産投資を味方につけることで資産形成の効果を最も大きくできますし、まだまだリスクをとることができる年代なので、長期ローンを活用して積極的に取り組むことで成功しやすいと言えるでしょう。
おそらく多くの方が時間こそあるものの十分な自己資金が用意できないと思われますので、資金力を長期ローンという「時間」でカバーするのが得策です。
物件選びのポイントとしては、資金力の問題から小規模な物件を狙うのがよいでしょう。ワンルームマンションの区分投資であれば数千万円程度の資金で始めることができるので、ローンを活用すれば資金調達もできます。
できるだけ安い物件から優良物件を探し出す必要があるので、都心よりもその周辺地域にある中古ワンルームマンションを狙うのがよいと思います。
30代の場合
30代になると、20代のころよりは資金力のある人が多くなります。自己資金として500万円、1,000万円といった金額を用意できる人もいると思いますので、都心の物件価格が高いマンション物件にも手が届くようになります。
20代の方々と同様にまだまだ時間がある世代で、30歳から35年ローンを組んだとしても完済予定は65歳なので、何とか現役世代に払い終えられる可能性があります。中古マンションのローン期間はもっと短いので、30代の最後にあたる39歳でも十分現役世代のうちに払い終えることができます。
長期的に需要が見込める都心の中古ワンルームマンションに絞って優良物件を探し、長期ローンを活用して長い目で取り組んでいきましょう。
40代の場合
40代のミドルエイジになると、多くの人が「老後」を意識するようになります。40代はお金が必要になるピークなので目先のお金に目が奪われがちですが、それと同時に老後資金のことも気になり始めるのです。つまり、40代でマンション投資を始める人の主目的は老後の収入源の確保です。
40代になると社会的な地位が高くなっている人も多く、仕事を長く続けてきたことによって属性の高い人も多くなることでしょう。
つまりローンに通りやすくなる世代なので、その信用や社会的な地位を大いに活用して有利なローン戦略を描きたいところです。フルローンなどローンの比率が高い資金計画や、低利のローンなど少しでも有利な条件を模索した上で優良物件を手に入れ、長期目線で取り組みましょう。
50代の場合
サラリーマンや公務員など給与所得者の場合、50代は現役世代最後の10年になる人が多くなります。つまり老後が目の前に迫っており、不動産投資だけでなくあらゆる方法を使って老後の資金を確保していかなくてはなりません。
その一方で、社会的な信用や勤続年数の長さなどローンを組むには有利な属性になっている人が多いので、それを大いにいかして少々高い物件であってもチャレンジしたいところです。
物件の価格によっては不動産投資の収支が赤字になる可能性もありますが、50代は本業の収入が高くなっていることが考えられるので、損益通算で節税を行うことも視野に入ります。
流動性のメリットなどを考慮すると区分マンション投資が妥当ではありますが、資金力や信用力によっては一棟マンション投資を検討してもよいでしょう。
60代以降の場合
どんなに長く現役でいる人であっても、60代はいよいよ現役世代最後の世代となります。すでにリタイアしている人も多く、この世代の人たちが不動産に関心をもつのは投資目的だけでなく、相続対策も含まれます。
60代から長期ローンを組むことは難しいので、購入するとしてもキャッシュか短期ローンです。そのため家賃収入目的よりも相続税の節税が主目的になりやすいわけです。
もし投資によるリターンを期待したいのであれば、60代からは現物不動産よりもREITや小口化商品など、金融商品からのアプローチで間接的に不動産投資をするのがよいのではないかと思います。
◆まとめ
不動産投資を始めるのはいつが最適なのか、この問いに対して季節的な傾向と長期的な経済の動きによる傾向、そして年代別の傾向に分けて解説しました。
しかし、すべてにおいて共通しているのは「早ければ早いほど有利」という事実です。今すでに不動産投資を始められるだけの資金や属性がおありの方は、この機会に前向きに検討してみてはいかがでしょうか。