不動産投資で物件を購入するのに適した時期はあるのでしょうか。また不動産投資を始めるなら、何歳代が有利なのでしょうか。不動産投資、最適な「タイミング」を考えていきます。
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不動産投資を始めるのに適した時期は?

詳しくは後述しますが、マンション投資を含む不動産投資は早く始めるほどメリットを実感できる期間が長くなるため、マンション投資を始めるのに適した時期がいつなのかと問われれば「早ければ早いほど有利になる」という答えが正解です。

 

だからといって、十分な資金やローンの審査に通るだけの属性ではないのに、早さだけを追い求めて若いうちに不動産投資を始めるのは無謀です。経営体力がないので、少し予想外の出来事が起きただけで経営危機に陥る恐れがあります。

 

十分な自己資金とローンに通るだけの経済的信用が揃った時点ではじめて「早ければ早いほど有利」という答えが成り立ちます。

 

異動・入社・入学の季節に合わせて売買は増える

マンションを手放そうとする季節要因は何かと考えた時、最初に思いつくのは転勤ではないでしょうか。実際、中古マンションは転勤の多い2~3月頃が一番動くと言われています。それ以外に、子どもの入学や卒業、就職などにあわせて住んでいるマンションを売り、新しい家に住み替えるというケースもあるのではないでしょうか。

 

また、不動産会社が3月決算であることが多いということも関係しているかもしれません。ちなみにこの時期は、そういった市場の心理や人々の事情を考慮して新築マンションも多く売買されるタイミングでもあります。

 

次いで9月から11月の秋頃にも、不動産の売買が活発になると言われています。秋は、半期の異動時期でもありますし、新年を新居で迎えたいという人が、年内に売却しようとするためといった理由があるのかもしれません。

 

また、コロナ禍の時期に学校が臨時休校になり、その機会に日本も世界標準に合わせて9月を新学期にするべきとの意見が出ました。真剣に議論される機運も高まったのですが、コロナ禍自体が収束する気配を見せていたため立ち消えになった経緯があります。

 

今後何らかの理由で日本も9月が新学期になるようになれば、9月に向けた夏から秋にかけての季節が最も不動産の動く時期になると思われます。

 

売りに出される物件が増える時期は、物件の選択肢が広がるということです。自分の条件に合った物件の選択肢が増えると考えると、市場が活発な時期に探すのは効果的かもしれません。ただし、同じ時期に購入したい人も増えるので、需給バランスが他の時期と大きく変わることはなく、価格面での違いも大きくないようです。

 

そのほかの季節要因は?

それ以外では、年末年始や梅雨時、真夏の暑い時期は、取引が比較的少なくなる傾向にあります。やはり暑い時期などは、内見などで外へ出る気が起きにくいという心理的な要因が関係しているようです。

 

特に最近の夏の酷暑は命にかかわるほどのリスクをはらんでいるため、高齢の人を中心に不動産の売却活動をしない傾向が強くなります。また、ケースとしては多くないものの、年末年始や、お盆に実家に帰省して、家族で売却について相談し、その後、売りに出すということもあるようです。

 

現在はマンションの売り出し情報の多くが、インターネットで閲覧できます。不動産会社同士が情報共有する「レインズ」などの仕組みが確立しているので、ほとんどの売却情報はこうしたデータベースに登録され、そこから売買の動きが始まります。

 

基本的には、購入に有利な時期、不利な時期といった季節要因はなく、むしろ、景気変動や金利動向、あるいは消費税・相続税など税制面での大きな変更がある時期のほうが、マンション市場に大きな影響を与えるといえます。

 

たとえば2021年の後半は首都圏のマンション価格が高騰する動きが見られましたが、これはコロナ禍によって大量に供給された投資マネーが不動産に向かっているという説や、今後インフレ局面に振れる可能性が高いことから実物資産へのマネーシフトが進んでいるなどの説があります。

 

退去後リノベーションするマンションの場合は?

入居者の退去後にリノベーションを施して販売される中古マンションの場合は、賃貸市場の動向も関係します。ワンルームマンションなど単身者向けの物件は、学校の卒業、社会人の異動・転勤後にリノベーションを行うので、やや遅れて市場に出てくることになります。

 

前途のような要因から、購入に適した時期を見定めるためには、市場動向や、景気・金利などの外部要因が重要です。さらに、購入する本人の資産状況やライフスタイルなど、個人的な要因も考慮する必要があります。

 

購入に充てられる資金が十分にあるか、勤めている会社の業績は順調かといった要素のほうが、むしろ「買い時」を考える上では大事なポイントになるのではないでしょうか。

 

購入する際には、時期だけでなく、上述したようなさまざまな条件も合わせて判断すると、自分にとって最も良いタイミングが見つかるでしょう。