モンスタークレーマーが過度な要求…何と応えるべきか?
—長時間の拘束、居座り
—度重なる電話
—店内で大きな声をあげて、恫喝をする
—同じ質問を繰り返し、対応のミスが出たところを責める
—SNSやマスコミへの暴露をほのめかした脅し
—顧客であることをいいことに、特別扱いの要求
増加するカスハラ、そして企業の対応体制の確立を支援するために、厚生労働省では、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を作成しています。あくまでも企業がカスハラに対するマニュアルを作成する際の手引きですが、そのなかで、現場でのクレームをカスハラに発展させないためのポイントが記されているので、見ていきましょう。
資料によると、カスハラが疑われる場合の対応として、録音や録画等、検証可能な証拠を収集すること、また悪質性の高い場合には単独ではなく複数名での対応を推奨しています。
また行為別の対応として、毅然とした態度、そして過度な要求には「できない」という、はっきりとした断りが大事だとしたうえで、場合によっては警察や弁護士等に通報、相談をするようにとしています。
<行為別の対応例>
1.時間拘束型
対応できない理由を説明し、応じられないことを明確に告げる等の対応を行った後、膠着状態に至ってから一定時間を超える場合、お引き取りを願う、または電話を切る。
2.リピート型
連絡先を取得し、繰り返し不合理な問い合わせがきたら注意し、次回は対応できない旨を伝える。それでも繰り返し連絡が来る場合、リスト化して通話内容を記録し、窓口を一本化して、今後同様の問い合わせを止めることを伝えて毅然と対応する。
3.暴言型
大声を張り上げる行為は、周囲の迷惑となるため、やめるように求める。侮辱的発言や名誉棄損、人格を否定する発言に関しては、後で事実確認ができるよう録音し、程度がひどい場合には退去を求める。
4.暴力型
行為者から危害が加えられないよう一定の距離を保つ等、対応者の安全確保を優先する。また、警備員等と連携を取りながら、複数名で対応し、直ちに警察に通報する。
5.威嚇・脅迫型
複数名で対応し、警備員等と連携を取りながら対応者の安全確保を優先する。また、状況に応じて、弁護士への相談や警察への通報等を検討する。
6.権威型
不用意な発言はせず、対応を上位者と交代する。要求には応じない。
出所:厚生労働省『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』より抜粋
「お客様は神様」といった日本人らしい考え方から、顧客にモノを申すことに躊躇してしまうことは当然のことかもしれません。ただカスハラを受けることで、心身が病んでしまってはどうしようもありません。顧客からの迷惑行為・要求に対しては、毅然とした態度で「できません」というひと言が効果的。あとは会社や警察、弁護士に任せるのが得策です。