会社員であれば、給与の額面と手取り額に、大きなため息をついた経験はあるでしょう。そんな経験を初めてしたであろう、今年、社会人となったばかりの新入社員。さらに長い現役時代の先に待つ将来の話をしたら、きっと打ちひしがれるはず。あまりに残酷な日本の未来をみていきましょう。
 手取り17万円…大卒新入社員が絶望するしかない「将来の年金額」

初任給、浮かれ気分を打ち砕く「額面」と「手取り額」の差

この春、大きな希望を抱いて社会にでた新卒者。しかし初めて給与を手にしたとき、同時に、失意に陥った人も大勢いたことでしょう。

 

厚生労働省『令和3年 賃金構造基本統計調査』によると、新卒者の平均給与は21万2,300円。高卒者では平均17万9,700円、中央値が17万6,100円。大卒者では平均22万5,400円、中央値は21万9,300円でした。

 

高卒者では下位10%で15万7,000円、上位10%で20万4,100円、大卒者では下位10%で19万2,300円、上位10%で25万9,400円。高卒、大卒、スタートラインは同じはずなのに、その時点で、月5万~6万円ほどの差がついています。

 

給与の差は、企業規模や業種によるところが大きく、もし、なんとなく就職先を選んだのであれば、初めて給与を手にした時点で後悔を抱いてしまうかもしれません。

 

さらに「えっ……」と言葉を飲み込んでしまうのが、実際に振り込まれた給与額をみたときでしょう。仮に大卒・初任給が額面22万円(賞与あり)だったとしたら、住民税が1万3,000円ほど、所得税が4,000円ほど、社会保険料が3万1,000円ほど天引きされ、残る手取りはおよそ17万2,000円。額面と手取りの差、およそ5万円に、多くの新入社員は愕然とするのではないでしょうか。

 

【給与「額面」と「手取り額」】

額面17万円なら、手取り13.4万円

額面18万円なら、手取り14.1万円

額面19万円なら、手取り14.9万円

額面20万円なら、手取り15.6万円

額面21万円なら、手取り16.4万円

額面22万円なら、手取り17.2万円

額面23万円なら、手取り17.9万円

額面24万円なら、手取り18.6万円

額面25万円なら、手取り19.4万円

※簡易的な計算によるもの。実際の金額とは異なる可能性があります。

 

さらに額面30万円であれば、手取りはマイナス7万円、額面40万円であれば手取りはマイナス10万円、額面50万円であれば手取りはマイナス14万円、額面60万円であれば手取りはマイナス19万円……基本的に給与があがればあがるほど大きくなっていくので、年齢を重ねれば重ねるほどため息は深くなるといえるでしょう。