「内縁関係」のパートナーに相続の権利は!?
財産を残して亡くなった人のことを「被相続人」といいます。この「被相続人」の数は少子高齢化のあおりを受けて、2011年(平成23年)から2020年(令和2年)の10年間の間に、なだらかに上昇をつづけています。
東京国税局の調査発表によると、2020年(令和2年)時点で約27.8万人に達しており、これは同年の国内総人口の約1.3億人である4.7%を占めています。
そこで必然的に増加するのが「相続」ですが、そこにはいくつか落とし穴が存在します。例えば、戸籍上は赤の他人である、入籍をしていない「内縁関係」のパートナーはどうでしょうか。
原則として相続権をもつのは、配偶者と子ども、両親、きょうだいなどに限られます。相続は戸籍上のつながりにもとづくため、事実婚などの「内縁関係」のパートナーは相続権をもつことができません。この理屈どおり、生前に籍を抜いている場合も、元の配偶者たちに相続権は発生しません。
もし「内縁関係」のパートナーに自身の財産を残したい場合には、「公正証書遺言」を準備しておくことをお勧めします。「公正証書遺言」とは、一般的な「自筆証書遺言」とは異なり、公証役場の公証人と証人2名が関与し、公正証書として残す遺言書です。
この公証人には多年、裁判官、検察官または弁護士の経験を有する法曹資格者や、多年、法律事務に携わり、法曹資格者に準ずる学識経験を有すると認められた人が務めます。原本が必ず公証役場で保管されるため、隠匿や改ざんされる恐れが非常に少ないのが特徴です。
ところが、戸籍上のつながりをもつ、きょうだい以外の「法定相続人」は「遺留分」を請求する権利を有しています。「遺留分」とは、「法定相続人」に最低限保障される遺産取得分のことを指します。遺言の内容よりも強い権利であり、主張すれば必ず一定の財産を取得することが可能です。
無事に相続が済んだら、次は「相続税」という関門が待っています。実はこの相続税を申告しそびれる相続人が後を絶たず、深刻な社会問題となっています。
「タックスヘイブン」を使って、節税・秘匿性確保はできるのか?
「海外法人」の設立法・活用法
>>>11/12(火)LIVE配信