老後を見据えた自助努力が叫ばれているなか、給与は上がらず、貯蓄も増えず……とWパンチで嘆く人が大勢います。そんな人たちの最後の望みというべきものがありますが、当てが外れるケースも珍しくありません。老後のための資産づくり。現実をみていきましょう。
平均年金額14万円…「40代サラリーマン世代」当てが外れて呆然

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公的年金受取額…会社員の平均は月14万円

給与があがらない……サラリーマンのため息がとまりません。国税庁『民間給与実態統計調査』によると、正社員の平均年収は2020年532万2,000円。「給与は毎年あがるのが当たり前」という時代は、もはや歴史教科書にのってしまうほど昔の話で、右肩上がりだった給与は、1993年に前年比99.5%と初めて前年割れを経験しました。

 

過去30年間、給与が前年超えとなったのは15年、給与が前年割れとなったのも15年と五分五分。2000年代の20年に絞ると前年超えは9年、前年割れは11年と負け越し。これらの時代に社会人になった人たち、40代前半より若いサラリーマンは、「給与は上がらない」がある意味、常識となった世代だといえるでしょう。

 

40代に突入すると、住宅ローンに加え、年々子どもの教育費も増大。支出が高まり、家計も苦しくなっていく年代です。年功序列がまだ根強い日本では、年齢と共に年収はあがっていきますが、支出も増えていくので、生活が楽になることはありません。

 

そのようななか、将来を見据えて、自助努力が求められていますから、なんとか資産形成できないものかと奮闘します。

 

金融広報中央委員会『令和3年家計の金融行動に関する世論調査』によると、40代の年間手取り収入からの貯蓄割合は12%。資産額の平均は1,235万円(中央値は531万円)。もし先輩方と同じペースで資産の拡大が図れるとすると、50代では資産が平均1,825万円(中央値800万円)、60代で3,014万円(中央値1,400万円)に達し、年金生活へと突入していきます。

 

厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金受給者の平均受取額は月額5万6,358円、厚生年金保険(第1号)受給者の平均受取額は月額14万6,145円。これらとコツコツ築いた資産を取り崩して老後は暮らしていくことになります。