老後を見据えた自助努力が叫ばれているなか、給与は上がらず、貯蓄も増えず……とWパンチで嘆く人が大勢います。そんな人たちの最後の望みというべきものがありますが、当てが外れるケースも珍しくありません。老後のための資産づくり。現実をみていきましょう。
平均年金額14万円…「40代サラリーマン世代」当てが外れて呆然

老後資金…貯蓄が上手く進められなかった場合の最後の砦

順調に貯蓄を進めることができたなら、年金14万円程度であっても、安心した老後を過ごせるかもしれません。しかし老後を見据えて貯蓄を進めなければならない.、40代〜50代は、住宅ローンに年々増えていく教育資金と、支出も増えていく時期。支出が落ち着いたときには、すでに年金生活に突入というケースも珍しくないでしょう。

 

貯蓄が上手く進められない…そんな人が拠り所にするのが、退職金。東京都産業労働局『中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)』で定年退職金をみていくと、大卒で1,118万9,000円、高卒で1,031万4,000円。定年を期に1,000万円を超えるお金を手にします。

 

さらに少々不謹慎かもしれませんが、親からの相続も老後の生活には重要なもの。40代、50代の親世代は、現役世代よりも時代的に恵まれ、裕福な生活をしているケースも多いでしょう。「親の財産はいずれ自分のもの……」そんな皮算用をしている人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、これらには落し穴が……。

 

まず退職金。前出、東京都の調査によると、退職金制度があるのは65.9%、ないのは20.9%(無記入13.2%)。中小企業の場合、5社に1社は退職金はまったく当てになりません。

 

また親の相続については、前出、金融庁の調査で遺産の考え方を問われたところ、「こどもはいるが、自分たちの人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい」が18.1%、「財産を当てにして働かなくなるといけないので、社会・公共の役に立つようにしたい」が2.0%。つまり5人に1人は、財産を遺すつもりはないと回答しているのです。

 

老後資金として、退職金と親の財産を当てにしているなら、勤務先の退職金制度と親の意思を確認することが必須です。