ベテラン社員が働き続けたいと思う、一方で若手社員の思いは?
せっかく65歳、70歳と高齢まで働き続けられる環境を用意しても、モチベーションが低下してしまっては意味がないと、役職定年を廃止するなどの改革を行う企業が増えています。
内閣府『令和元年度高齢者の経済生活に関する調査』によると、「65歳まで働きたい」という人が25.6%と最も多く、「70歳くらいまで働きたい」が21.7%、「75歳くらいまで働きたい」が11.9%と続きます。また「働けるうちはいつまでも」という人も20.6%います。
「収入がほしいから」「働くのは体によいから、老化を防ぐから」「仕事そのものが面白から、自分の知識・能力を生かせるから」など、「お金」「健康」「やりがい」と働きたい理由はさまざま。それでも長く働き続ける環境づくりは、高齢化が進展する日本において必須事項です。
役職定年など、より長く働くことにプラスになるニュースに対して、多くが好意的に受け止めているようです。しかし「いつまで居座るつもりだ」と嘆く若手社員の声が目立つのも事実。上が詰まり、いつまでも若手は若手のまま……という顛末になると、ベテラン社員のモチベーションは上がっても、若手社員のモチベーションは低下するという結果を招く恐れがあります。
年功序列や終身雇用、新卒一括採用など、日本型の雇用システムが、労働生産性を低下させ、日本の国際的な地位低下を引き起こしているという指摘があります。ベテラン社員が働き続けたいと思う環境づくりが、さらなる日本の競争力低下を招かない工夫が必要です。