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増加する糖尿病患者…怖さは「合併症」にあり
健康診断の際、血液検査で血糖値の上昇がみられると、「糖尿病」または「糖尿病予備軍」といわれてしまいます。
2016年の国民健康・栄養調査によると、「糖尿病が強く疑われる者(糖尿病)」は1,000万人、「糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備軍)」も1,000万人と推定されており、合計で2,000万人が問題を抱えています。
2007年の2,210万人からは一旦は減少となっていますが、長期的には増加傾向にあり、調査の始まった1997年と比較すると50%増となっています。
糖尿病の怖さは血糖値の上昇そのものよりも、後に引き起こされる合併症にあります。目や神経、腎臓などへの障害を招くのです。
また、動脈硬化を進めて心筋梗塞や脳卒中などの命に直結する病気を引き起こしたり、失明や足の切断に至ったりすることもあります。
「糖尿病予備軍」でも油断はできないワケ
糖尿病予備軍ならまだ安心、と思う方もいるかもしれませんが、そんなことは決してありません。血糖値が正常な人に比べ、糖尿病に至るリスクが6〜20倍も高くなります。
さらにもっと気をつけなければいけないのは、予備軍の中には「食後の血糖値が高いタイプの人」が混ざっていることです(健康診断では食前の血糖値しか調べないので健康診断ではわかりません)。
これに該当すれば心筋梗塞と脳梗塞になる確率が正常血糖値の人と比べて高くなり、死亡率は2.2倍になるとの報告※1があります。
恐ろしい合併症…防ぐポイントは運動・食事・薬・注射
では、どう治療をしていけば将来の健康につながるのでしょうか。いい換えると、どうすれば目、神経と腎臓に起こる障害を減らし、命にかかわる心筋梗塞や脳卒中になる確率を下げることができることができるのでしょうか。
対策について一文でいい表すなら、「血糖値が上昇してきたら早めに生活習慣(運動と食事)の改善と治療(程度に応じた内服薬やインスリン注射)を開始すべき」。
いつかやろうでは取り返しがつかないことになります。そこでここからは、早い対処が重要であることを証明する研究結果を紹介しましょう。
アメリカの研究にみる「減量と運動」の重要性
米国で行われた「糖尿病予防プログラム(The Diabetes Prevention Program)※2」の研究では、糖尿病予備軍の人が、減量と運動で糖尿病になるのを防ぐ、または少なくとも遅らせることができると判明しました。
2002年に発表されたこの研究は、3,234人の糖尿病予備軍の人に運動を週に150分(週に5日やるなら1日30分)させ、食事療法も併せて5%~7%の体重減少を達成させたところ、3年経った時点で、何も努力しなかった人に比べ糖尿病に至ってしまった率が58%も低かったとの結果が出ています。
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