(※写真はイメージです/PIXTA)

誰もが体のだるくなったことはあるでしょう。そのほとんどは、「働きすぎた」「何かで徹夜した」など、自分でだるい理由がわかっています。それは休息をとったり、気晴らしをしたりして、元気を取り戻せばいい。しかし、よくあるだるさのなかにも、病気が隠れていることがあります。よくあるだるさから病気を疑うポイントを、総合診療科医の視点で3つ紹介します。

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月単位でずっとだるさが続く

「だるくなる心当たりはあるけれど、そういえば随分日が経つのにだるさがとれないな」

 

これはとっかかりがなく、上の2つと比べて、診断が難しくなる。

 

アルコールの多飲やシフト制の不規則な勤務、長時間のスマホやゲームと睡眠不足が、その自覚がなくともだるさの原因となることも多い。例えば、飲酒量は「毎晩チューハイを3缶です」と答えると一見多くない。しかし、ストロング系(10%)を1Lだとしたら、日本酒4合(720ml)と同等で、危険な飲酒である。本人に問題意識をもってもらい、生活習慣の改善をはかって、症状の変化をみることになる。

 

生活に原因がなさそうなら、最初に挙げたよくある原因から網羅的に探していく。また、ある程度体の病気がないことを確認したならば、精神的な病気も念頭におく。例えば“うつ病”である。気分の落ち込みや、物事に対する興味の消失、楽しくないと思ったことがここ1カ月であるか。これらがあれば、より詳しく話を聞くだろう。一方で、食欲があり、睡眠が十分とれていれば、うつ病をあまり疑わない。

 

初診外来では、このように、問診、体の診察、簡易の検査を組み合わせて、生活習慣に問題はないか、よくある体の病気がないか、精神的な病気はないかと探していく。それでも見つからない場合、ひとまず急ぐ怖い病気はなさそうで、時間をおいてみることを提案することもある。診療と検査で異常がないことで病気の不安が消え、体が楽になる患者さんにもよく出会う。

 

一方で、時間をおいても、だるさが続く場合には、より稀な病気を調べたり、ある病気を疑って治療をしてみたりすることになるだろう。

 

“体がだるい”という、誰もが経験する症状であっても、病気の兆候のことがある。「心当たりのない、日から週単位でくる強いだるさ」、「だるさプラス✖✖(症状)もある」、「月単位でずっと続くだるさ」といったキーワードに当てはまる場合には、医療機関で一度相談してみてはいかがだろうか。

 

五十野 博基
社会医療法人石川記念会HITO病院
総合診療科

 

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』掲載の記事を転載したものです。