「抜歯せずに短期間で綺麗な歯並び」…バレない歯並び矯正「インビザライン」の特徴【歯科医師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「歯並びを綺麗にしたいが、矯正器具には抵抗が…」という方におすすめしたいのが、「インビザライン」という矯正治療です。昔のように痛くて、目立つ装置がついて、何年もかかる矯正治療の時代は終わりました。ここではBOSTON矯正歯科院長・長尾紀代子医師が、インビザライン治療の特徴、向いている人・向かない人、治療期間を短くする最新機器などの「知っておきたい情報」について解説していきます。

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歯列矯正を阻む「目立つ・痛い・取り外せない」の壁

コロナ禍となって丸2年を迎えようとしている現在。海外では、長く続いたマスク生活に終わりを迎えようとしているところもチラホラ見受けられます。近い将来、マスクを外し海外の方とビジネスを行なう日々が戻ってくるかもしれません。

 

人間の表情を、「日本人は目元で」「欧米人は口元で」読み取るとはよく言いますが、やはり欧米ではかなり口元が重視されています。マスクを取れば、口元を見られる機会も再び増えていくことでしょう。

 

欧米では歯の矯正をすることが社会的ステータスのひとつとされています。白く整った歯並びは、清潔感や教養の有無につながっていると考えられてもいます。

 

ぜひ、印象の良い歯並びで接したいですよね。

 

とは言え、「矯正装置が見えるのが嫌」という方は日本には多くいらっしゃいます。確かにワイヤー治療は目立つ上、痛みを伴い、一度装着したら治療が完了するまで基本的に取り外しのできないものです。

 

こうしたマイナスポイントを嫌がっていた方に打ってつけの「インビザライン」という矯正治療があります。

インビザラインとは?

■インビザラインは「見えない、痛みが少ない、取り外せる」矯正治療

インビザラインとは、透明に近いマウスピース(=アライナー)を使った治療法のことです。アライナーは数十枚カスタムメイドされます。1枚目をつけたら7~10日後に2枚目へ、とつけ替えていくことで少しずつ歯を動かしていくシステムです。

 

透明に近いアライナーは装着していても他の人から気づかれることはほぼありません。金属が出ていないので、頬や舌など傷つけたり、急な痛みが発現したりすることもまれです。また取り外しができるためお食事もいつも通り楽しめます。

 

米国で1999年、日本では2006年に本格的な販売を開始し、2020年10月時点で、世界100ヵ国以上・900万を超える人々に治療を受けられています。比較的新しい治療法であり、現在も進化を続けているのです。

 

ワイヤー治療より気軽に受けられそうなことから「治療期間が長くなるのではないか」「ワイヤー治療のほうが仕上がりはよくなるのではないか」と思う方もいるようですが、それは「誤解」であると強調しておきます。

 

もちろんワイヤーでしか治療できない患者さんもいらっしゃるのですが、インビザラインのほうが断然おすすめできる、という患者さんもたくさんいらっしゃいます。

 

重要なポイントは、両者のメリット・デメリットを把握し、どちらの治療法がよりあなたに向いているのかしっかりと判断できる矯正歯科医に、治療を託すことです。

 

さて、アライナーは1日20時間から22時間装着する必要があります。1日最低20時間の装着ですから、お食事、歯磨きの時以外はアライナーを常に使用する生活になります。ここがインビザラインの唯一のデメリットと言えるでしょう。面倒くさがりで、あるいは忘れっぽくて装着時間に自信がない…という方には、インビザラインはどちらかというと不向きかもしれません。

 

アライナーは少ない方では20~30枚、抜歯して矯正する場合など多い方では最大99枚まで作成されます。1週間に1つずつの交換なら、52枚でおおよそ1年間の治療となります。

 

■「抜歯せずに短期間で綺麗な歯並び」を実現

従来では健康な歯を抜歯しなければ矯正できなかった、いわゆるガタガタの歯並びの方でも、コンピューター上でクリンチェックと呼ばれるソフトを使って0.5mm以下のIPR(Inter Proximal Reduction:歯と歯の間の削合)をシュミレーションすることにより、抜歯せずに短期間で綺麗な歯並びを手に入れられるようになりました。

 

IPRとは歯のエナメル質を片側で最大0.25mm、歯と歯の間で最大0.5mm削ることを言います。エナメル質の厚みは歯や部位によって異なりますがIPRを行なう部分では1mm前後と報告されているので、0.25mm削っても安全な範囲であると言えます。

 

さらに、抜歯を行なわないことで歯の移動距離も少なくすみ、治療期間を短くすることにもつながっています。抜歯しなければ矯正の難しかった歯並びの方でも、インビザラインによって治療できることが増えてきました。

 

■「出っ歯」も高確率で改善…インビザラインがおすすめな人、不向きな人

開咬(オープンバイト)の方は、ワイヤー矯正よりもインビザラインに向いています。ここでは歯の位置が原因でオープンバイトになっている歯性のものを指し、骨格的要因のものは除きます。

 

オープンバイトとは奥歯が咬んでいるのに、前歯は上下で咬み合わず、前歯ではものが咬みきれない状態のことです。 

 

「出っ歯」を引っ込めることもかなりの確率で可能です。

 

難しいのは、前歯の咬み合わせがかなり深い場合です。「イーッ」としたときに下の前歯が上の前歯に隠されてまったく見えない方には、インビザライン単独での治療はおすすめしません。

 

そのほか、大臼歯を虫歯で失ったが、その他の歯を動かして隙間を埋めたいというような要望に応えることも難しいです。

 

ですが現在では、当院に矯正相談にいらっしゃる患者さんのおよそ80%へ、インビザライン治療をおすすめできるまでに治療範囲は広がっています。

治療期間を短くする「最新機器」が登場

近年、「光加速治療機」という歯をはやく移動させるための機械が開発されました。

 

代表格のオーソパルスは米国FDAで医療機器として認可されています。他にPBMヒーリングという機械もありますが認可はまだのようです。

 

残念ながらどちらも日本の薬事審査はおりていません。日本の矯正歯科学会では賛否あるようで、「歯の移動がはやくなるという報告はあるが、すべての患者にその効果が現れるとはいえない」という扱いのようです。

 

しかしながら実際、当院でインビザラインの患者さんにお使い頂くと、アライナー交換頻度がこれまで1週間だったところから、3~4日で交換可能になっていて、試して頂いたほとんどの患者さんで成果が上がっていると実感しています。

 

光加速治療機の使用法は至って簡単です。1日4~5分、シリコンでできた柔らかい光加速治療機を口の中に入れるだけです。痛みはありません。上顎と下顎に1回ずつ、合わせて10分以内で完了します。

 

光加速治療機は近赤外線領域である850nmくらいの光を放出するようにできています。この領域の光を人体に当てると細胞内のミトコンドリアが活性化され、細胞の代謝が活発になるため歯がはやく動くようになります(Photo-biomodulationフォトバイオモデュレーション)。矯正治療のネックだった治療期間が短縮されるということは、矯正医にとっても驚きでした。この新しい手法を使わない手はないでしょう。

「歯列矯正は若いうちにするもの」と考えては損

インビザラインは矯正治療に革命を起こしました。

 

矯正は子供のうち、若いうちにするもの、と考えている方も多いですが、当院では70代の方もインビザライン治療を始めています。歯並びは審美的に重要なだけでなく、健康にも影響を及ぼすものです。

 

100年人生の終盤を入れ歯で柔らかいものだけ食べて過ごすか、自分の歯で好きなものを何でも食べるか。またガタガタの歯を気にして口元を押さえて笑うか、歯を見せて綺麗な笑顔を作るか。これらの違いで、人生の質は大きく変わってくるとは思いませんか。

 

昔のように痛くて、目立つ装置がついて、何年もかかる矯正治療の時代は終わりました。現在の矯正治療は、少しの我慢と努力で自信と若さを取り戻す手助けをしてくれます。ぜひ専門医に話だけでも聞きにいってみてください。

 

 

長尾 紀代子

BOSTON矯正歯科 院長

アメリカ矯正学会認定医(ABOII)

 

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BOSTON矯正歯科 院長
医療法人社団BOSTON会 理事長 

【経歴】
1973年 愛知県名古屋市生まれ
2000年 日本大学歯学部卒業歯科医師免許取得
2002年 Boston大学矯正科入学
2005年 アメリカ歯科医師試験合格(NDBI&II)
2006年 アメリカ矯正学会認定医試験合格(ABOII)
     Boston大学矯正科卒業(Master of Science)

2006年帰国後、穂積歯科(愛知県)など経て2018年、東京都港区虎ノ門にBOSTON矯正歯科(https://boston-hanarabi.tokyo/)を開業。Boston大学在学中からワイヤー矯正のみならず、インビザライン治療を手がける。

【専門医・認定医】
アメリカ矯正学会認定医(ABOII)

著者紹介

連載現役医師が解説!様々な「カラダの不調」への対処法

本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。

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