(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省は、発達障害を「生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態」と定義していますが、精神科医の大岡美奈子氏は、この症状は「誰にでも当てはまる可能性がある」といいます。では、わが子が「どのような言動」をとったとき、病院受診を検討すべきでしょうか。具体的な3つの例をみていきましょう。

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もしかして発達障害?病院受診を検討するタイミング

一般的に発達障害の特性といわれる症状は、「誰にでも当てはまる可能性」があります。また、発達障害は「治療」以外にも色々な解決策があるのですが、わが子の発達障害を疑ったとき、どのようなタイミングで病院受診を検討すべきでしょうか。

1.自分や他人に暴力をふるってしまう

出だしから深刻な内容ですが、避けてはとおれない大事なお話です。

 

発達障害を抱えたお子さんや、その傾向のあるお子さんでは、気持ちの切り替えが不得手で、自分の失敗を長く引きずったり、他人から受けた嫌な言動をいつまでも水に流すことができずに悶々としていることがあります。

 

その結果、他人に言葉や態度を荒げてしまったり、自分を傷つけてしまうような行動を取るお子さんもいらっしゃいます。本人目線で捉えると、あくまでも被害を受けた結果の行動なのですが、他者からみると「暴力」と映ってしまいます。

 

誰だって負けたら悔しいし、ときには腹立ちが治らずに行動が荒っぽくなることはあるでしょうが、あまりにも怒りの爆発の頻度が多すぎたり程度が大きすぎたりして、本人や家族、周囲の人々の生活に支障が生じている場合は、病院を受診するのも一案です。

 

発達障害に起因した情動不安や興奮状態を落ち着かせるような効果のあるお薬がいくつかありますので、何度も繰り返して自分も周囲も深く傷つけてしまう前に、一時的にでもそうしたお薬を利用してみることが解決につながる場合もあります。

 

お薬を使わない場合でも、家庭や学校のなかで話しあってうまくいかないときは、「日常とはちょっと離れた場所」である病院で、医師も交えて現状の整理をし、対処法を話しあうだけでも、いままでとはちょっと違った見方で物事を捉えることができるかもしれません。

2.身の危険を振り返らない衝動行為

いきなり道路に飛びだす、まったく知らない他人にもついていってしまう、というような、事故や事件などに巻き込まれてしまいそうな行動をとることが何度もあるような場合は、受診を考えたほうがいいでしょう。

 

発達障害のなかでも「注意欠如多動性障害(ADHD)」という疾患を抱えるお子さんで、特に多動性・衝動性の強いタイプに起こり得る行動です。

 

ADHDのお子さんの多動・衝動性は、未治療でも年齢を重ねていくごとに自然と軽快していくことが知られていますし、療育やサポート教室が奏功して落ち着いてくるお子さんも多くおられますが、命の危険に関わるような危険な行為が一度ならずあるようであれば、服薬治療も視野に入れてよいでしょう。

 

現在日本で承認されているADHDの薬剤は4種類あります。服薬可能な年齢はいずれも6歳以上となりますが、医師の判断と保護者の了解のもとでもう少し早い年齢から処方する場合もあります。

 

一般的にADHDの薬は患者さんや親御さんの満足度が高い印象がありますが、お子さんによっては副作用が出る場合もありますので、相談しながら慎重にお薬を決めていきます。

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。