ロスカットや損切りという言葉はFXをしているなら何度も耳にする言葉です。基本的には同じ意味を持つ言葉ではありますが、目的や内容は微妙に異なります。
大損失の場合も…FXの「ロスカット」と「損切り」回避のポイント【プロトレーダーの解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

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そもそも「ロスカット」とは

ロスカットとは、投資家の損失拡大を防ぐための措置です。証拠金維持率がFX会社の定めた基準を下回ると、全保有ポジションが強制的に決済されます。全保有ポジションが決済されることで、含み損がすべて確定します。

 

ロスカットによって損失は確定してしまいますが、損失の拡大を一定以内に留めることができ、最低限の資金は残せます。もし、ロスカットがなければ、証拠金維持率が0%になってすべての証拠金を失うことも考えられます。

 

アラートメール

 

証拠金維持率が下がりロスカットが近くなると、アラートメールが通知されます。アラートメールとは、投資家に「もう少しでロスカットになるので気をつけてください!」と注意を促すお知らせです。アラートメールの通知基準はロスカット基準同様、FX会社によって異なります。

そもそも「損切り」とは

損切りとは、相場が不利な方向に動き一定の含み損を抱えた時に、投資家が意図的にポジションを決済して損失を確定させることです。

 

「OO円含み損を抱えたら」「XX pips下がったら」など事前に決めたルールに基づき自分の手で決済を行います。損切りで損失を確定することで、それ以上損失額が増えないようにします。

 

また、損切りとは逆で含み益を確定させることを「利確」や「利食い」、損失が膨らんでもそのまま放置しておくことを「塩漬け」といいます。

「ロスカット」と「損切り」の違い

ロスカットは投資家の資産を最低限守ることが目的で、FX会社の定めた基準に達すると自動的に執行されます。損切りは損失拡大を防ぎ、損失をコントロールするために行うもので、タイミングは投資家で決めることが可能です。

 

目的

ロスカットの目的は一定以上の損失拡大を防ぎ、投資家の資産を最低限守ることです。そのため、FX会社の定めた基準を証拠金維持率が下回ると、自動的にロスカットが執行されます。

 

損切りの目的は損失拡大を防ぎ損失をコントロールすることです。「◯◯円の含み損で損切り」など損失を限定することで、収益の安定化を図りやすくなります。

 

実行基準

ロスカットの基準はFX会社によって異なりますが、概ね証拠金維持率50%〜100%です。基準を下回ると全ポジション強制決済となります。

 

一方、損切りはFX会社が設ける基準はありません。トレーダー自らが基準を決め、自分の好きなタイミングで損切りできます。

 

手動・自動

ロスカットはFX会社の定めた基準に達すると自動で執行されます。投資家自身がロスカットの執行をする・しないを選択することはできません。一方、損切りは自動で行われるのではなく、投資家自身で損切りの有無やタイミングを決められます。

 

このように、ロスカットは自動的に行われますが、損切りは投資家の裁量で決めることが可能です。