日本人の多くは仕事や勉強において、インプット学習の割合が多くなり、収集した情報をアウトプット学習する機会を作ることが苦手な傾向にあるようです。学習効率を考えるうえで、FXにおいてもインプットとアウトプットの比率は重要です。今回は、初心者トレーダーのアウトプット学習の重要性について、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説します。
多くの日本人は「アウトプット学習」が苦手な理由【月利30%トレーダーの助言】 ※画像はイメージです/PIXTA

インプットとアウトプットの学習のバランス

人間は学習してよりよい環境に身を移そうとする動物です。そのため、意識・無意識に関わらず、日常生活のなかで何十回と物事を考える習慣がついています。人間の学習はインプット学習とアウトプット学習にわけることができます。インプット学習は主に知識の吸収を促す学習を指します。本を読むことやセミナーの参加などが例として挙げられます。インプット学習は基本的にひとりで行うことができるので、学習者の多くはインプット学習のほうが得意という人が多いでしょう。

 

対してアウトプット学習とは、インプットした知識をリアルで使ってみることです。経験を積むことがアウトプット学習の醍醐味といえるでしょう。入手した知識を実際に使ってみることで知識の真偽がわかったり、経験値としてあなたの行動能力に直結します。多くの日本人はアウトプット学習が苦手な傾向にあります。義務教育期間でインプット学習に慣れてしまった人が多く、知識を試す機会や人に伝える機会が少ないまま大人になってしまった人が多くいるでしょう。

 

インプット学習とアウトプット学習のバランスを考えなければ、成長スピードは格段に落ちてしまいます。知識をつけることは大事ですが、知識の詰め込みすぎに注意することはそれ以上に必要なことです。

「頭ではわかっているのに…」が起こる理由

FXでトレードをしていると、自分が思い描いていたトレード計画と実際の行動にギャップを感じる瞬間があるでしょう。特にFX初心者には「頭ではわかっているのに計画とは異なる行動をしてしまう瞬間」が多々起こります。その代表的な例が、損切りを後回しにする行為です。事前に損切りのラインを設定したにも関わらず、実際に含み損の額を確認したときに、いずれ戻るであろうという根拠のない自信から損切りを後回しにしてしまうことがあります。

 

損切りしたほうがよいことは理解しているのに実際に行動が起こせない原因のひとつが、アウトプット学習の不足が挙げられます。FXではアウトプット学習が不足していると、イレギュラーな対応や精神的な負荷がかかった場面での対応が難しくなってしまいます。実戦経験や実際の相場で値動きの検証を行うことで理論を踏まえた実務経験を積むことができます。冷静な判断力が求められる相場の世界ではアウトプット学習を踏まえた対応力が求められるのです。