FXは稼げそうだと思って安易にトレードを始める人がいますが、勉強もせずに始めてしまうと大きな失敗を招くことがあります。FX初心者のよくある失敗原因を把握し、適切な対処法を実行すれば失敗リスクの軽減が可能です。継続的な利益を目指すのであれば、失敗原因や対処法は押さえておく必要があります。ここでは、FX初心者のよくある失敗原因9つと対処法8つについて解説します。
FX初心者が大損する「9つの理由」と「8つの対処法」【プロトレーダーの解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

【関連記事】日給300万円を「投機」で稼ぎ倒す匿名仮想通貨トレーダーの謎

FX初心者のよくある失敗原因9

FX初心者は「利確・損切りルールが決まっていない」「高レバレッジで取引してしまう」「証拠金維持率を気にしていない」など、失敗する原因が共通していることが多いです。

 

よくある失敗原因を知ることは、FXの失敗リスクの軽減にもつながります。ここでは、FX初心者のよくある失敗原因9つについて見ていきましょう。

 

1.勘に頼って売買をする

FX初心者のよくある失敗原因の1つが、勘に頼って売買をしてしまうことです。「少し下がったので、これから上がるだろう」「上がり続けているので下がるはず」など、根拠なく勘に頼って売買をしても上手くはいきません。FXは単純ではないので、初心者の勘で勝てるほど甘くないのです。

 

経験豊富なトレーダーであれば、ノウハウがあるので直感に頼った判断でも良い結果が出ます。しかし、FX初心者は知識や技術、ノウハウがないので勘に頼った売買はギャンブルそのものです。失敗の原因になりえるため、勘に頼った売買はしないようにしましょう。

 

2.利確・損切りルールが決まっていない

「XXpips上がったら利確する」「OO円の含み損が出たら損切りをする」などの利確・損切りルールが決まっていないことも、FX初心者のよくある失敗原因の1つです。

 

ルールが決まっていないと「損失を取り戻せる利益が出たら決済しよう」「もう少し待てば含み損がなくなるかもしれない」など、その時々の感情に左右されて不安定な取引になってしまいます。淡い期待を持ってもたいてい上手くはいきません。

 

感情に左右される取引は不安定な結果を生み、損失や負けにつながる可能性があります。いつか相場が回復すると期待して、そのまま下がり続けロスカットになるというケースも少なくありません。

 

3.とにかくポジションを持ちたがる

「ポジポジ病」ともいわれますが、とにかくポジションを持ちたがるのは、FXの失敗につながる可能性があります。

 

「ポジションを持っていないとチャンスがない」「エントリーしないと落ち着かない」など安易な考えや感情に左右されてポジションを持っても、良い結果は得られません。

 

「ポジションを持つこと」を優先すると、根拠のないタイミングでエントリーすることになるからです。根拠やルールに基づくものではなく、結局は感情任せの取引となるため結果は運頼みになります。とにかくポジションを持ちたがるポジポジ病は、FXの失敗原因になりえるため注意が必要です。

 

4.スワップ狙いで高金利通貨に手を出す

「スワップポイントが高いから高金利通貨で取引しよう」という考えも、FX初心者が失敗する原因の1つです。

 

高金利通貨はスワップポイントは魅力的ですが、相場変動が大きく「スワップポイントで5,000円稼いだけど2万円のマイナスになっている」などスワップポイント以上の含み損を負うリスクがあるためです。

 

通貨の特性や相場動向をきちんと理解したうえで保有しないと、大損する恐れがあります。

 

トルコリラや南アフリカランド、メキシコペソ、ロシアルーブルなどの高金利通貨は、経験豊富なトレーダーや資金に余裕がある人であれば良いですが、FX初心者にはおすすめできません。経験の浅いうちにスワップ狙いで高金利通貨に手を出すのはやめましょう。

 

5.高レバレッジで取引してしまう

高レバレッジ取引は、FX初心者にはリスクが高すぎます。国内FX会社は、投資資金を最大25倍の金額で売買できるレバレッジ取引が可能です。40万円で1,000万円の取引ができるなど、資金効率を高めて多くの利益を狙えるのは魅力ですが、大損する可能性があります。

 

投資金額が最大25倍になることで、得られる利益と負う損失も最大25倍になります。また、よほど証拠金維持率に余裕がないと、わずかな値動きでロスカットになり、全ポジション強制決済になってしまいます。

 

経験の浅いFX初心者が手を出すと大ダメージを負い、市場から退場させられるリスクがあるので高レバレッジ取引はしないようにしましょう。

 

6.複数の通貨ペアに手を出す

米ドル/円やメキシコペソ/円、米ドル/人民元、ユーロ/スイスフラン……など、複数の通貨ペアに手を出すのもFX初心者が失敗する原因になります。通貨ペアによって特徴や収集する情報に違いがあるからです。

 

利益を出すためには、各国の経済や政治に関する情報を収集し、それぞれの相場を分析する必要があります。

 

経験豊富なトレーダーであれば知識や経験があるので対応できますが、FX初心者では対応できません。中途半端な対応になり、損失が出るうえに知見も得られないでしょう。

 

リスクを高めてしまうため、複数の通貨ペアに手を出すのはやめましょう。

 

7.証拠金維持率を気にしていない

資金管理が疎かで証拠金維持率をチェックしておらず、失敗するFX初心者は少なくありません。

 

多くのFX会社では、証拠金維持率が50%〜100%を下回るとロスカットが執行されます。ロスカットになると、全ポジションが強制決済されるため投資資金の大半を失うことになります。

 

資金が潤沢であればいいですが、そうでない人がほとんどなので、証拠金維持率をチェックして十分余裕を持たせることが大切です。証拠金維持率に無頓着だと、大損する可能性が高いので注意が必要です。

 

8.勉強や練習をせずに本番を始める

何の勉強や練習もせずにFXを始めても勝てるわけがありません。

 

通貨の特徴やチャートの見方、注文方法、情報収集、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析の方法などの知識を身につけて実際に練習をすることで、実践で勝つためのノウハウを身につけられます。

 

FXに限ったことではありませんが、何もせずに稼げるほど投資は甘くありません。本やセミナー、動画による勉強、デモトレードによる練習をして基本的な知識や技術を身につけたうえで本番に臨むことが大切です。

 

9.重要指標やマーケットニュースをチェックしていない

重要指標やマーケットニュースを確認していないと、相場動向の予測が難しくなります。

 

雇用統計や中央銀行の声明、GDPなど重要指標発表によって相場が大きく動くことは多いです。また、マーケットニュースをチェックしていないと、ファンダメンタルズ分析ができなくなります。重要指標やマーケットニュースもチェックすることで、根拠のある売買が可能です。

 

FXで失敗しないように、重要指標やマーケットニュースは逐一チェックしましょう。