メディアで度々紹介される天才トレーダーのトレード術。しかし、ただ真似するだけでは、稼げるトレーダーにはなれません。では、トレード術はどのように磨くのが上達への近道なのでしょうか? ポイントはトレードの振り返り方にあると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。みていきましょう。
もっと稼ぎたい!…プロトレーダーの真似事をした初心者トレーダーの末路 ※画像はイメージです/PIXTA

天才的なセンスを持つプロトレーダーを安易に真似ると…

プロトレーダーの中でも稀に天才的なセンスによってトレードで利益を上げる人がいます。そのようなトレーダーは類まれな相場への嗅覚が発達しているので、自分自身の中の感覚によってトレードを遂行することができます。メディアではこのような天才的なセンスを持ったトレーダーが紹介されることが多いので、FX初心者は感覚トレードを極めることに憧れを持つでしょう。しかし、感覚に頼ったトレードはごく一部のトレーダーができることであり、ほとんどの人は感覚に頼ってトレードしてしまうと、安定的な利益を出すことはできません。プロトレーダーであっても地道な努力の積み重ねによって安定的な利益を生み出しています。

 

自分が感覚に頼ったトレードをしていないかどうかチェックするためには、自分のトレードが言語化できるかどうかを振り返るとよいでしょう。なぜその時点で新規のポジションを取り、なぜそのタイミングで利益確定をしたのかなど、ひとつひとつの行動を言語化することで自身のトレードを客観的に振り返ることができます。自身のトレードを言語化できない場合は、直感や感覚によってトレードしている可能性があるため、トレードスタイルを見直す必要があるでしょう。

なかなか成長しないトレーダーの振り返り方

トレードを始めて早い段階で利益を出せる初心者トレーダーとなかなか利益を出せない初心者トレーダーの差はトレードの振り返り方にあります。利益を出せるトレーダーは自分の行ったトレードを言語化し、自己分析しやすい振り返りを行います。

 

対して、なかなか成長しないトレーダーは「ちょっとタイミングが悪かった」、「損切りラインをもう少し上げれば下手に損切りに巻き込まれなかった」など、感覚的で数値化できない言葉を使ってトレードを振り返ります。数値化できる項目とは「資産の5%を損切りラインにする」、「22時から翌9時まではトレードしない」など、できたかできなかったかを「○か×」で判断できるものを指します。条件や結果を具体的に判断できるように言語化することはスキルを高めるために必要な要素なのです。感覚的にトレードを振り返ることは簡単ですが、長期的な成長を目指すのであれば、より具体的に振り返ることが求められます。