【関連記事】平均給与「433万円」より厳しい…「日本人の現状」
若年層で所得格差が拡大…その要因は?
先日、内閣府が発表した『日本経済2021-2022 成長と分配の好循環実現に向けて』。日本経済の現状分析や見通しなどをまとめたレポートで、2021年9月に公表した経済財政白書のその後の情勢を含めて分析をしています。
レポートの中で、所得格差について言及をしていますが、数値が大きいほど所得格差が大きいことを示す「ジニ係数」は、近年緩やかに下落しており、格差は縮小傾向にあるとしています。
年齢別にみていくと、年功序列の傾向の強い日本では、年を重ねるほど格差は広がる傾向にあります。そのなかでも、若年層である25~34歳については所得格差が拡大傾向にあるとしています。世帯の形態ごとにみたときに、単身世帯の中央値は360万円と5年間でほぼ変化はないものの、夫婦のみ世帯では中央値616万円と、5年で81万円上昇。夫婦と子どものいる世帯では中央値550万円と、5年で57万円上昇していました。
単身世帯では収入が増えず、未婚・晩婚が進んでいる一方で、夫婦世帯では共働きにより世帯収入が増加していることが、格差拡大の要因となっています。
正社員と非正社員…格差は縮小傾向になるというが
また報告書では「正規・非正規間の賃金差は縮小傾向にある」としています。
厚生労働省『労働力調査』によると、最新調査である2021年、就業者は全国で6,667万人。そのうち雇用者は5,973万人、うち役員を除いた雇用者は5,626万人でした。
さらに「正規の職員・従業員(以下、正社員)」は3,565万人、「非正規の職員・従業員(以下、非正社員)」は2,064万人でした。
ひと口に非正社員といってもさまざまな立場の人がいますが、そのうち半数を占めるのが「パート」で1,018万人、「アルバイト」が438万人、「派遣社員」が140万人、「契約社員」が275万人、「嘱託社員:が113万人となっています。
業種別では、最も非正社員が多いのが「卸売業、小売業」で455万人。「医療、福祉」320万人、「製造業」238万人、「宿泊業、飲食業」229万人と続きます。