家電に「エネルギー消費効率」表示を義務化…世界が注目「日本の省エネ法」の実際 (※画像はイメージです/PIXTA)

2050年カーボンニュートラル達成まで約30年。日本人はどのように「省エネ」という課題と向き合っていくべきなのか、ヴェリア・ラボラトリーズ代表取締役社長の筒見憲三氏が解説します。

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2050年カーボンニュートラル達成を成功させるには

企業成長と脱炭素化は両立できる。否、両立しなくてはならない。

 

このことは決して易しいことではありませんが、企業経営者としては脱炭素化が必須の要件となる時代の到来とともに、企業の成長に向けてより具体的な指示や行動に移していかねばなりません。

 

2050年カーボンニュートラル達成までには、まだ30年近くの年月があるので、先のことのように感じもしますが、それでも社会全体のカーボン排出が実質ゼロという目標は、実現がとてつもなく高く困難なものです。

 

また日本企業においても、生き残りを賭けた苦しい闘いとなり、それをやり切るにはまずは社内全体、特に現場で働く従業員を腹落ちさせて具体的な行動に導いていく必要があります。

 

その30年近くにわたる苦しい航海を正しくナビゲートしていくためには、企業経営者は自らの会社が正しい方向に進んでいるのかどうかを常に注視していく必要があるでしょう。

オイルショックを契機に制定「省エネ法」とは何なのか

省エネ法の歴史を振り返り、その機能とこれまでの役割を考えたいと思います。

 

「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」というのは、省エネ法の正式名称で、1970年代に入り二度にわたりわが国が被ったオイルショックを契機として、1979年に制定された法律です。


その目的は、

 

「内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物および機械器具等についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置、電気の需要の平準化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化等を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与すること」

 

となっております。

一定規模以上の事業者は「定期報告書」の提出義務あり

この目的にあるように、省エネ法が規制する分野は、エネルギー使用者への直接規制と間接規制があり、前者として「工場・事業場」「運輸」の事業部門であり、後者として「機械器具等」「一般消費者への情報提供」部門となっています。

 

直接規制である工場・事業場等の設置者や輸送業者・荷主に対して、省エネ取り組みを実施する際の目安となるべき「判断基準」を示すとともに、一定規模以上の事業者にはエネルギー使用状況等を報告させ、取り組みが不十分な場合には指導・助言や合理化計画の作成指示等を行うこととなっています。

 

この一定規模以上の事業者には、毎年「定期報告書」の提出が義務づけられており、その中には中長期の省エネルギー・エネルギー効率化計画を示した「中長期計画書」も含めることとなっております。

「エネルギー消費効率の表示」が、省エネに繋がるワケ

間接規制である機械器具等の製造または輸入業者に対して、機械器具等のエネルギー消費効率の目標を示して達成を求めるとともに、効率向上が不十分な場合には勧告等を行うこととなっております。この機械器具には、エアコン・冷蔵庫・テレビ等の家電製品、自動車、建材などが含まれており、この措置は「トップランナー制度」と呼ばれています。

 

この制度は、効果的な政策として国際的にも注目をされており、アジア諸国などが日本の制度を参考にし、類似の制度を導入しております。

 

つまり、目標となる省エネ基準(トップランナー基準)を示しつつ、商品にエネルギー消費効率の表示を義務づけることで、製造事業者間の技術開発競争を促すことになり、結果として機械器具類の省エネルギー化を促進することに役立ちます。
 

 

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筒見 憲三

愛知県犬山市出身。 1979年京都大学工学部建築学科卒業、1981年同大学院工学研究科建築学専攻修了後、 大手建設会社に入社。 1991年ボストン大学経営学修士(MBA)取得。 1992年(株)日本総合研究所に転職。 1997年(株)ファーストエスコの創業、代表取締役社長に就任。 2007年(株)ヴェリア・ラボラトリーズを創業。代表取締役社長に就任し現在に至る。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『データドリブン脱炭素経営』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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