医師の判断で自宅や宿泊施設での療養の場合は、医療機関に入院した場合と同様の基準で療養終了となります。
<医療機関に入院した場合の退院基準>
・発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合
・発症日から10日間経過以前に症状軽快した場合に、症状軽快後24時間経過した後に核酸増幅法、または抗原定量検査の検査を行い陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合
<無症状病原体保有者の場合>
・発症日から10日間経過した場合
・発症日から6日間経過した後に核酸増幅法等の検査を行い陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合
基本的に支払われません。ただし会社員等が加入する健康保険(被用者保険)に加入している場合、要件を満たしていれば、傷病手当金が支給されることがあります。
仕事に起因して感染したと認められた場合は、労災保険給付の対象となります。また感染経路が判明し、感染が業務によるものである場合、労災保険給付の対象です。
もし感染経路が判明しない場合は、労働基準監督署で調査し、労災保険給付の対象となるか判断します。感染リスクが高い「複数の感染者が確認された労働環境下での業務」「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下*1での業務」に従事していた場合、潜伏期間内の状況などを調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。
*1:請求人を含め、2人以上の感染が確認された場合
*2:小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等
また症状が持続し、療養や休業が必要と認められる場合も、労災保険給付の対象です。
発症から一度も医療期間を受診していない場合やPCR検査だけで診察を受けていないなどの理由で医師からの証明が得られない場合、保健所から発行される「宿泊・自宅療養証明書」「就業制限通知書」「就業制限解除通知書」を休業補償給付請求書に添付した上、請求が行えます。
ワクチン接種は、通常、労働者の自由意思に基づくものなので、業務とは認められません。よってワクチン接種で健康被害が生じたとしても、労災保険給付の対象とはなりません。ただし医療従事者等、高齢者施設等の従事者は除きます。
健康保険の被扶養者認定は、年間収入が130万円未満であることが要件ですが、今後1年間の収入を見込んで各保険者が判断することになっています。認定に当たり、過去の収入状況、現時点の収入、そして将来の収入見込みなどを用います。そのため年収130万以上となる場合でも、今後1年間の収入が130万未満になると見込まれる場合は、被保険者として認定されます。
労働安全衛生法等に基づく健康診断は、労働者の業務による健康障害を防ぐうえで必要なものであり、受診しなければなりません。
新型コロナウイルスを理由に会社が退職を求めてきた場合、それに応ずるかどうかは労働者の自由であり、労働者の自由な意思決定を妨げる退職の求めは違法な権利侵害にあたる可能性があります。
また労働契約法では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となる」としています。有期労働契約の場合、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間中に解雇はできません。さらに使用者は労働者を解雇する場合には、30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。
解雇や雇止めなどに関しては、最寄りの労働局・労働基準監督署や「新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口」、「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」に相談するといいでしょう。