インデックスファンドはあらかじめ定めた指数に連動することを目標に運用する投資信託です。アクティブファンドはプロが独自の観点から調査・分析を行い、数値を上回る運用成果を目指す投資信託のことです。それぞれの特徴やメリット、デメリットを考えたうえで、ご自身の資産運用、資産形成の目的にあわせてファンドを選ぶのがいいでしょう。独立系FPが著書『ていねい図解!初心者のための投資信託教本』(日本橋出版)で「投資信託」をわかりやすく解説をします。
インデックスファンドとアクティブファンド、どっちがいい?【FPが解説】 ※写真はイメージです/PIXTA

【オンライン開催(LIVE配信)】2/19開催
「トレーラーハウス」を活用した新しい資産運用
賃料収入、短期償却、社会貢献して利回り15%以上
詳しくは>>>

アクティブファンドにはコストを意識した商品も

■インデックスファンドとアクティブファンドって、どっちがいいの?

 

インデックスファンドというのは、あらかじめ定めた指数(インデックス)に連動することを目標に運用する、投資信託のことです。指数には、日本株式ならTOPIX や日経平均株価、米国株式ならS&P500 やダウ平均株価、世界株式ならMSCI コクサイ・インデックスなどがあります。

 

【図②】主なインデックス

 

こういう指数に連動することを目標とするので、指数が上がれば投資信託も上がるし、指数が下がれば投資信託も下がります。つまり、同じインデックスを指標にしている投資信託は、みんな同じ数値を目標にしている訳ですから、多少差があるものの同じような動きをします。同じような結果が待ち受けているということです。つまり、その場合には、コストを特に意識することが最も大切。コストが低い投資信託が、私たち投資家に最も良いリターンを与えてくれる可能性があるということになります。

 

【図③】コストとリターン

 

対して、アクティブファンドというのは、それら指数を上回る運用成果を目指す投資信託のことで、ファンドマネージャーが、それぞれの投資信託で決められた運用手法の条件に則しながら、積極的かつ戦略的に投資対象や組入れ比率などの投資判断を行います。よって、アクティブファンドの方が、インデックスファンドよりも、コストがかさむ可能性があり、リターンとコストとシャープレシオを比較する意味合いが高まります。コストより高いパフォーマンスを実現してきたかということを確認します。具体的には、過去の運用実績とコストを比較します。

 

【図④】インデックスファンドVSアクティブファンド

 

本連載は前提として、資産運用初心者の方、またあまりリスクをとりたくない方対象に書かれていて、コストが低いものを選ぶ方向で選び方を紹介しています。初心者だから、インデックスファンドが良いとは一概に言えませんが、商品を選ぶ際にコスト低めのもので検索すると、アクティブファンドよりインデックスファンドの方が上位表示される可能性が高くなります。

 

アクティブファンドを選ぶときは、コストを上回るパフォーマンスのアクティブファンドを探します。一般的な投資信託の本や雑誌でも、コストを最初の条件にしていることが多いので、インデックスファンドが紹介される割合は高いです。本連載でも、インデックスファンドが多く出てきます。

 

「インデックスファンドとアクティブファンドって、どっちがいいの?」この質問に対する、1つの明確な答えはありません。昨今のような世界的に不透明要因が多く不確実性の高い市場では、今後、指標だけに頼る運用では、十分な運用益が確保できるか不安だという声もあります。アクティブファンドの中にも、コストを意識した商品が出てきています。アクティブファンドという一言でまとめられていますが、インデックスファンドのように同じ指標で括られている訳ではないので、こちらは中身が様々なのです。

 

 

スクリーニングする際の条件で、最初からインデックスファンドのみを選択肢とせず、自身の投資目標、期間、リスク許容度などの条件を入れながら、リスクを取り過ぎない方法で絞り込んでいき、インデックスファンドもアクティブファンドも両方選ばれてくれば、両方とも取り入れる。そんなハイブリッドな時代になっていくかもしれません。

 

正直、初心者の方には、連載の中で今回が一番難しいと思います。投資信託の用語を見ると頭が痛くなるという人もいるかもしれません。ですが、心配することはありません。今回は最初さらっと読み流してください。後半の実践を進めながら、実際にそのキーワードに出会ったときに、戻って読み直してもらうのに使うのがいいと思います。

 

「習うより慣れろ」で、是非、実践に進んでください。

 

福田 由美
独立系FP
財務アドバイザー

 

 

↓コチラも読まれています 

 

「給料」が高い企業300社ランキング…コロナ禍でも伸びた会社、沈んだ会社

「不動産小口化商品への投資」が相続税対策になる納得の理由

日米比較にみる、富裕層が「アメリカ不動産」に投資するワケ

これまでの富裕層の「節税」では危ない?…不動産価値の見極め方

富裕層はすでに始めている!不動産営業が見た「資産承継の最前線」