失業者への支援の在り方は、各国でかなり異なる。ここでは、高福祉国家・スウェーデンの労働政策を例に、本当に「就職しやすい環境づくり」とはどのようなものか、前日銀副総裁・岩田規久男氏が解説していく。 ※本連載は、書籍『「日本型格差社会」からの脱却』(光文社)より一部を抜粋・再編集したものです。
「基礎年金を受給できる専業主婦」高福祉国家には“存在しない”ワケ ※写真はイメージです/PIXTA

イギリスでもとり入れられた「積極的労働市場政策」

イギリスでもマーガレット・サッチャー政権が、1983年以降、スウェーデンにならって多くの積極的労働市場政策をとり入れた。この政策の対象になる人は失業者だけでなく、職探しもせず、学校にも行っていない人も含んでいる点に特徴がある。

 

彼らに対してカウンセリング、訓練、職業経験の提供や雇用を増やす民間企業に職業補助金を支払うといった政策により、雇用を増やそうとしたのである。

 

1997年には18年ぶりに、労働党がトニー・ブレア党首の下に政権を取り戻したが、ブレア政権も「福祉から雇用へ」をスローガンにしてサッチャーの積極的労働市場政策を引き継いだ。

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※1 スウェーデンの雇用保険については、山本麻由美(2013)を参照した。

 

※2 『若者保証プログラム』については、小川晃弘(2008)を参照した。

 

 

岩田 規久男

前日銀副総裁