大学を卒業しても希望通り就職できず、その後も受難続きだったといわれる氷河期世代。彼らは社会人になってから、どのような時代を歩み、この先、どのような未来がまっているのでしょうか。みていきましょう。
一度も正社員になれない「氷河期世代」老後も報われない酷い現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

就職できなかった「氷河期世代」…悲惨な状況はどこまでも続く

就職氷河期にももちろん終わりはあり、その後、雇用環境は好転。そのとき、転職で正社員になれればよかったのですが、そこにも氷河期世代のならではの問題がありました。

 

キャリア形成がしっかりとされず30代を迎えた氷河期世代の人たちは、転職においても不利となり、なかなか非正社員から抜け出せない、という状況に陥ったのです。結局、40代、最も上では50代になった氷河期世代のなかには、一度も正社員になったことがない人は珍しくもありません。

 

また就職できずに、そのまま無業状態に陥り、社会との関りを失っている、すなわち引きこもり状態にある人が多いのも、氷河期世代の特徴です。

 

そして2020年に入ってからは、新型コロナ感染症の影響により、日本経済は停滞。雇止めの増加などで、再び、氷河期世代は悲惨な事態に直面しています。このまま時が過ぎ、定年を迎えたとき、ずっと非正社員として働いてきた氷河期世代はどのようになるのでしょうか。

 

受給される年金は、国民年金の場合、保険料は一律なので、納付月によって受給額が変わります。厚生年金の場合は、給与によって受給額が変わりますので、真面目に働き、定年を迎えたとしても、正社員と非正社員の格差は、年金が頼りの老後になっても大きな影響を及ぼすというわけです。

 

社会に出てから、一度も報われたことがない、という人が多い氷河期世代。政府は「就職氷河期世代支援プログラム」と称して、自立や就職、資格取得など、さまざまなサポートを行っています。ただこのような施策はあまり知られていないのが現状。もし周囲に報われない氷河期世代の人がいたなら、このような支援があることを教えてあげるのも、ひとつのサポートです。