(※写真はイメージです/PIXTA)

オミクロン株の出現により、世界中で再び新型コロナウイルスの新規感染者数が増加している現在。日本でも徐々に感染例が報告されています。こうしたなか、世界では「3回目のワクチン接種」が進んでいますが、そもそもオミクロン株に既存のワクチンは有効なのでしょうか。また、3回目の接種による副作用等、安全性も心配されます。今回、熊本大学ヒトレトロウィルス学共同研究センターでウイルス抗体を専門に研究している郭悠氏に、3回目のワクチン接種の必要性について話を伺います。

ワクチンの追加接種は、どのような人に必要なのか?

まず、高齢者施設に入所されているような方は基礎疾患を持っており、免疫機能が落ちている可能性が高いです。また、ワクチンで誘導された免疫反応が長く続かないことが報告されており、感染した場合の重症化リスクがあることから、ワクチンの接種が望まれます。

 

また、年齢とともにCOVID-19に罹った場合の重症化率、入院率や死亡率が高くなることが報告されていることから、50歳以上の方はワクチンを接種しておくべきでしょう。

 

なお、ワクチンの予防効果の持続期間も年齢とともに短くなる傾向にありますが、重症化の抑制効果は継続的にみられるとする報告が多いです。

 

高齢者以外では…医療従事者や妊婦、授乳婦が優先順位高い

医療従事者はワクチン効果を保っておく必要があります。また、オミクロン株は感染率が高い可能性が指摘されており、COVID-19患者が急増した場合に医療が崩壊しないためにも医療従事者のリスク対策は重要です。

 

ワクチン追加接種の臨床試験でも妊婦や授乳婦の方々は除外されており、安全性に関するデータはありません。

 

しかし、ガイドラインの項目には入っていませんが、妊婦さんや授乳婦さんはCOVID-19の高リスク群であることはパンデミックの初期から指摘されており、追加接種の優先度は高いと考えられます。

優先順位が高くない人もワクチン接種は必要か

新型コロナウィルスのパンデミックでmRNAワクチンは異例の早さで臨床応用され、一定のCOVID-19予防・治療効果を示しています。しかし、全人類にワクチンの需要が益々高まるなか、需要が追いつかないのが現状です。

 

一部の製薬会社の生産能力に依存していることが要因であることから、今後国産ワクチンの実用化が期待されます。

 

また、これまでのワクチンでは、ワクチン接種後に抗体価を測定し、効果不十分の場合に追加投与というスケジュールでした。

 

しかし、新型コロナウィルスではワクチン効果が持続しないため、全例接種となり需要が高くなってしまいます。

 

現状ではリスクの高い人から優先的に投与するしかありません。ただし、年齢による差はあるものの、ワクチン効果は全年齢で低下していくことが報告されているため、より多くの人が追加接種することが大切だと考えます。

 

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本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。