マスク生活で「口が臭い人」増加中…口臭を予防する方法は?【歯科医師が解説】

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マスク生活で「口が臭い人」増加中…口臭を予防する方法は?【歯科医師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

最近、口臭を訴える患者さんが多く来院しています。以前は高齢の方が多かったのですが、現在は働き盛りの男性が半分ほど占めています。口臭の原因は様々ですが、その一つに、日中の多くの時間にマスクをしていることが考えられます。歯科領域におけるマスクと口臭の関係と口臭予防について見ていきましょう。サッカー通りみなみデンタルオフィス院長・橋村威慶医師が解説します。

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「口腔からくるニオイ」はどんなもの?

口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」に大別されます。生理的口臭は一日のライフスタイルに起因するものであり、起床時や空腹時、飲食時、また緊張時に口臭が増します。女性の場合はエストロゲンホルモンにより月経時や妊娠時に口臭が増す場合があります。病的口臭は歯周病や歯垢、舌苔などがあります。

「長時間のマスク着用」で口臭が悪化

現在、私たちは新型コロナウイルスの感染を防ぐためマスクを着用する頻度が高くなっています。中には1日中着用する人もいるでしょう。マスクは感染予防の優位性は実証されており、とても有効な手段ですが、見落としがちなのが外部からの感染を防ぐと同時に口腔からの細菌も外部に漏れるのを遮断してしまうことです。口臭はどんな方にも少なからずあり、マスクは口臭の元を貯めるダム的な役割となります。

 

2018年に発表された論文は外科医が着用するマスクに付着する細菌が、着用後2時間で付着し始め、4〜6時間で優位に増加することがわかっています。この実験は手術室の中で行われており、手術室はとてもクリーンで細菌は外科医の体表面から移行して増殖したものです。これは一般的に使用されているマスクにも同じことが言えると思われます。

 

男性の患者さんが口臭を気にして歯科医院に来院する要因の一つに、長時間のマスク使用が関係あると推測できます。

化粧品にも注意?6ヵ月以上使用した口紅は細菌の温床

2019年の論文には口紅の汚染について述べられています。化粧品である口紅は使用前から81.3%の細菌が付着しており、さらに6ヵ月以上使用した口紅にはより細菌が増殖していると発表されました。論文では歯科衛生士を対象としており、特に濡れた状態でマスクを使用し続けると細菌が繁殖しやすくなります。これがすぐに口臭と直結する訳ではありませんが、口紅に付着した最近は口腔内と似たようなものがいるため、可能性がゼロというわけではありません。また他の感染症にもなるリスクがあるので注意が必要です。

ストレスや緊張感も口臭の一因

ある若い男性患者さんが口臭とドライマウス(口腔内乾燥)を訴え来院しました。患者さんの職業は放射線技師で、地下の放射線室が仕事場であり、毎日長時間コロナ陽性かもしれない患者さんのエックス線写真を撮るため緊張の連続した日々を送っていました。そのうち唾があまりでなくなり、口臭もひどくなってきたのです。緊張感は体の交換神経が働きます。この神経は唾液の分泌を抑制します。口腔内が乾くと口臭の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。

口臭を予防するために…

①最大の口臭予防手段は「正しいブラッシング」

第一に心がけることはブラッシングです。ブラッシングはセルフケアのうち、最大の口臭予防手段となります。ブラッシング法も何通りかありますが、病的口臭の原因の歯周病菌を減らすためのブラッシング法をバス法といいます。また、デンタルフロスや歯間ブラシも有効です。歯ブラシの当て方は人それぞれ歯列や被せ物等により変わりますので、歯科医院の受診をおすすめします。

 

また、舌ブラシも口臭予防に役立ちます。舌の表面の奥の方(舌背)を中心に磨きます。舌の表面は糸状乳頭という小さなツブがあり、磨きすぎて傷になると治りにくいので、気をつけて磨きましょう。

 

②歯科医院で歯石とりや歯周病の治療を受ける

病的口臭のほとんどは歯肉炎や歯肉炎から重症化した歯周炎により引き起こされます。歯科医院を受診し治療を受けることにより解決できるケースが多くあります。

 

③マスクの交換

上述の通り、マスクは4時間ほどで細菌の増殖が始まります。一日に2〜3回、たとえば午前中使用したマスクは昼食後に取り替え、夜もマスク着用が必要な場合はもう一度取り替えるなどして、できるだけ長時間同じマスクを着用しないようにしましょう。

 

④リラックスしましょう。口臭と口の渇きを感じている方にはマウススプレーや洗口液もおすすめ

口の渇きは唾液の分泌減少が原因です。リラックスを心がけましょう。唾液には自浄作用があり、細菌の繁殖を抑制します。今は携帯型の持ち運びしやすいマウススプレーが市販されているので、場所をそれほど気にせず使用できます。また唾液は老化でも出にくくなります。唾液線マッサージがおすすめです。唾液線マッサージは少しコツがいるので、歯科医院を受診して聞くのが良いでしょう。

 

⑤新しい化粧品を使いましょう

化粧品は医療品ではないため、細菌が付着しているのはそんなに驚くこことではありません。必ずしも化粧品の細菌が口臭と結びつくわけではありませんが、一つの因子としては考えられます。データから見るに半年以上使用してから経過した化粧品は注意したほうが良さそうです。

 

最後に口臭を指摘してくれる相手は家族、特に夫婦間が最も多いとされています。なかなか他人の口臭を指摘するのは難しいことです。日頃の良好な関係が必要ですね。

 

 

橋村 威慶

サッカー通りみなみデンタルオフィス 院長

 

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。