「心不全を疑う症状」すぐ受診のはずが…コロナの弊害
階段を2階まで上がったときにドキドキが増えていませんか? 今まで平気だった距離でも歩くと息が切れていませんか? 靴下の跡が強く残るような足のむくみはありませんか? 休んでも疲れを感じることが増えていませんか?
これらは弁膜症などによる心不全を疑う症状です。半年前と比べてこれらの症状が出ていないでしょうか。ご本人はもちろんのこと、ご家族や身近な人に上記の体調の変化があるときは専門の医師にご相談ください。早期発見、定期的な検査と管理、タイミングを逃さない治療介入が、弁膜症から私達の心臓を守ります。
弁膜症をはじめとした心疾患は、病状が安定していたとしても状態が急に悪くなることがあり、急性心不全を発症することがあります。そのときはすぐに医療機関を受診して急性期治療を行った上で、各種検査で病状を評価し、手術などの必要な治療を速やかに行う必要があります。
しかし、2019年末から世界中を襲ったコロナ禍においては、多くの医療機関で心疾患患者の救急対応が困難となりました。「心疾患が増悪したときに出現する呼吸困難症状」と、「ウイルス感染などによる呼吸器感染症が原因の呼吸困難症状」を、初期の段階で見わけることが難しいためです。