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将来の不安から、不動産投資を考える人は少なくない
会社員として働く人のなかには、不動産投資による資産形成を検討している人が少なくありません。ただし、仮に年収が500万円クラスだとすると、そこでまず気になるのは「資金規模が小さいが本当に始められるのか」「小資金だが本当に成功できるのか」という資金規模の小ささに由来する疑問だと思います。
不動産投資では少なくとも数千万円規模の物件購入を伴うため、このような疑問をお持ちになることは自然なことでしょう。では、実際のところはどうなのでしょうか。
「年収500万円あれば何とかなる」という思考が大切
年収500万円という想定条件について、それが不動産投資家として適格なのかどうかについて考えてみましょう。ご自身の年収が500万円クラスだとして、それが高いと感じるか低いと感じるかは主観の問題ですが、客観的なデータだけを見ると「高い」に分類されると考えられます。
なぜなら、国の調査結果を見ても会社員の平均賃金は最も高い「55~59歳」であっても416万6,000円であり、500万円に満たないからです。
まずは「年収500万円しかないから無理」なのではなく、「年収が500万円あれば何とかなるかも」という思考を持つことからすべてが始まります。
会社員投資家に立ちはだかる「3つの壁」
会社員という本業を持ちながら不動産投資に取り組む人はとても多く、「サラリーマン投資家」もしくは「サラリーマン大家」「週末大家」などと呼ばれています。会社員の人が不動産投資を始める理由はもちろん、冒頭で述べたような将来や先行きへの不安を解消するために副業収入を得るためです。
そんな会社員投資家になるには、3つの壁が待ち受けているとされています。
立ちはだかる壁1.収益物件が高額で手を出しにくい
収益物件として新築されるマンションは不動産投資ブームの影響もあって高止まりしており、年収500万円クラスの会社員が購入するには手の届きにくいものです。
それでも成功すれば良い買い物となりますが、失敗した時のダメージを考えると高額な物件価格は敷居を高くしてしまいます。
立ちはだかる壁2.物件の価格によっては融資の審査に通らない
銀行など金融機関の融資は、返済能力が前提になります。物件が持つ収益性はもちろんですが、それに加えて投資家自身に安定的な収入があること、現在の職業に長く就いていることなどが審査では有利になるとされています。
この点では会社員は条件を満たしている方が多いので有利ではあるのですが、購入する物件の価格によっては年収がネックになり、審査に通るのが難しくなる可能性があります。
立ちはだかる壁3.ホテル・マンションが供給過多という現状
不動産投資ブームといわれて久しく、地域によってはマンションやアパートが供給過多になっているという指摘があります。しかも全国的には供給増と人口減により、空家数が増加し続けている事実もあります。
すでに飽和している市場にこれから参入して本当に成功できるのか? という疑問を持つ方が多いのも当然でしょう。