学校の授業では、shouldとhad betterはどちらも「~べきである」という意味をもつと教わります。しかしこれら2つの言葉は、状況次第ではきつい言い方になることに注意が必要です。英語での丁寧な「提案・助言」の仕方について、Q‐Leap株式会社の代表取締役副社長、愛場吉子氏が解説します。内容を誠実かつ明確に伝えることが重要です。 ※本連載は、書籍『話す英語(実戦力徹底トレーニング)』(アルク)より一部を抜粋・再編集したものです。
「You should...」は“責めている”ように聞こえる?英語で提案・助言をするなら【英語研修のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

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「You should...」「You had better…」にはご用心

日本人の英語学習者にスピーキングを教えていると、提案や助言にyou shouldやyou had betterを使う人が多いことに気が付きます。しかし、これらは状況次第ではとてもきつい言い方になり得るのです。

 

you shouldは、場合によっては責めているように聞こえることがあります(主語のyouが「相手と対峙(たいじ)する」ニュアンスを持つため)。せめてI thinkを前に付けてI think you shouldとし、きつさを和らげましょう。なお、shouldやmustは基本的に、薦めるときなどの肯定的な文脈でのみ使う方が安全です。

 

また、had betterは「~した方がいい。さもないと……」という意味で、shouldと同じようには使えません。脅迫的な印象を与えることもあるので注意が必要です。

 

■「きつくない助言」の実例を確認

 

下の場面での助言を見ていきましょう。

 

あなたは今日、後輩社員のテッドと一緒に、顧客のブルームさん(Mr.Bloom)に会う予定です。ところが、出社したテッドは、かなりラフな服装をしています。

 

【例】

 

あなた:【①前置き】Hi, Ted. Do you have a sec?【②助言】Did you happen to bring a jacket today? You might want to look a bit more businesslike when we meet Mr. Bloom later.【③理由】I heard he is quite a conservative person.If you don’t have one to wear, you can borrow mine. I always keep an extra one in my office just in case.

 

【Words & Phrases】

 

sec:ちょっとの間(= second)

businesslike:仕事向きの、真面目な

conservative:保守的な

just in case:万が一に備えて