「人からの誘いや依頼、提案などを断る」という行為は、英会話においても難しく、十分な配慮を必要とします。相手との良好な関係を保つための慎重な言葉選びについて、Q‐Leap株式会社の代表取締役副社長、愛場吉子氏が解説していきます。 ※本連載は、書籍『話す英語(実戦力徹底トレーニング)』(アルク)より一部を抜粋・再編集したものです。
英語での「スマートな断り方」…日本と違って、“すみません”を多用しないワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

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英語で「断る」とき、伝えるべき「5つの要素」

◎英語での断りを効果的に行うには、以下の要素を盛り込むとうまくいきます。

 

①感謝・肯定     例「それはすてきですね」

②残念な気持ち    例「でも、残念なことに」

③断り        例「行くことができません」

④理由        例「出掛けてしまうので」

⑤代案・埋め合わせ  例「別の機会に、どうですか?」

 

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上記のすべてを含むとは限らず、必要なものを状況に応じて組み合わせる傾向にあります。例えば、①と②は、状況に応じていずれか1つだけを使うことがよくあります。また③を省略し、④の「理由」によって断りの意思表示をするケースもあります。ただし、④「理由」はどんな「断り」にも必ず含まれます。

英語で断るときはポジティブな言葉で切り出す

ある研究データによると、誘いを断るときに、日本人は「すみません」を多用し、アメリカ人は「ありがとう」をよく使うようです。このため、謝ることで礼儀正しさを伝える日本人の習慣をそのまま英語圏に適用しようとしてもうまくいかず、かえって真意が伝わらない危険性が生じるのです。

 

英語での断りには多くの構成要素が含まれます。日本的な感覚からすると過剰に思えるかもしれませんが、英語圏のような言葉のコミュニケーションに依存する文化において、相手との良好な関係を保とうと思えば、必要なことといえます。

 

特に①「感謝・肯定」や⑤「代案・埋め合わせ」は盲点になりがちなので、この2つの要素をできるだけ意識して話すよう心掛けましょう。