FXのレバレッジ取引は少額資金で多額の利益を狙えますが、その分、大きな損失やロスカットの危険性が高まります。レバレッジのメリットやリスク、リスク低減のポイントについてみていきましょう。
FXの「レバレッジ取引」…リスクを低減させるポイント、9つ【プロFXトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

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FXのレバレッジ取引…メリットは?

レバレッジは、証拠金の何倍もの金額で取引ができる仕組みです。国内FX会社であれば、証拠金の最大25倍の金額で取引ができます。たとえば、20万円の証拠金で100万円の取引をすることもできます。

 

レバレッジをかければ、取引金額を増やせるので短時間で多くの利益を狙えます。証拠金の10倍や20倍の金額で取引することも可能です。また、取引金額が増えることで、獲得できるスワップポイントも多くなるのがレバレッジのメリットです。

 

ここでは、レバレッジをかけるメリットについて詳しく確認していきましょう。

 

取引金額を増やせる

レバレッジをかけるメリットは、証拠金の何倍もの金額で取引ができることです。たとえば、国内FX会社であれば最大25倍のレバレッジ取引ができます。5万円の証拠金で50万円や100万円の取引が可能です。50万円で1,000万円の取引もできます。

 

「投資資金が少ない。もっと取引金額が大きければ…」と思っている方も、レバレッジを活用すれば大きな金額で取引ができます。

 

株式投資の信用取引はレバレッジが約3倍、仮想通貨の国内取引所はレバレッジが最大2倍など、他の投資と比べてFXのレバレッジは倍率が高めです。証拠金の最大25倍まで取引金額を増やせるのは、FXのレバレッジをかけるメリットです。

 

短時間で多くの利益を狙える

短時間で多くの利益を狙えるのも、レバレッジをかけるメリットです。レバレッジをかけると取引金額が大きくなるため、値動きが小さくても多くの利益を稼げます。

 

たとえば、米ドル/円の取引で、1ドル=115.000円の時に1,000通貨(115,000円分)買い、1ドル=115.400円の時に売れば利益は400円です。

 

もし、レバレッジ取引で1ドル115.000円の時に1万通貨(1,150,000円分)買っていれば、115.400円で売った時に4,000円の利益となります。2万通貨買っていれば、利益は8,000円です。

 

レバレッジを活用すれば小さい値動きでも多くの利益になるため、短時間で数千円〜数万円以上稼ぐことも可能です。

 

スワップポイントが増える

レバレッジをかけることで取引金額が大きくなり、スワップポイントも増えます。スワップポイントは、通貨ペアである2つの通貨の金利差調整分のことです。ポジションを翌日まで持ち越すと付与されます。

 

たとえば、2021年6月時点の政策金利は円が−0.1%で米ドルが0.25%です。円を売って米ドルを買うと「0.25%−(-0.1%)=0.26%」となり、0.26%のスワップポイントを受け取れます。

 

レバレッジによって取引量が増えるため、ポジションを翌日まで持ち越せば、多くのスワップポイントを稼ぐことが可能です。ただし、金利が低い通貨を買って金利差がマイナスになると、スワップポイントを支払わないといけなくなるので注意してください。

「レバレッジ」に潜むリスクとは?

レバレッジ取引はメリットだけではありません。レバレッジをかけると取引金額が証拠金の最大25倍となるため、ハイリスク・ハイリターンな取引となります。そのため、相場が不利な方向に動くと多額の損失を抱え、ロスカットリスクが高くなります。

 

ここでは、レバレッジに潜むリスクについて見ていきましょう。

 

レバレッジが高くなると損失も大きくなる

レバレッジが高くなると取引金額が増えるため、得られる利益と負う損失は大きくなります。

 

たとえば、米ドル/円の取引で、1ドル110円の時に買い111円で売る場合、取引数量によって、負う損失は次のようになります。

 

・1,000通貨:1,000円の損失(110,000円−111,000円)

・1万通貨:10,000円の損失(1,100,000円−1,110,000円)

・10万通貨:100,000円の損失(11,000,000円−11,100,000円)

 

このように、同じ値動きであれば、取引金額・数量が多いほど損失は大きくなります。レバレッジが高くなると、ハイリスク・ハイリターンになるため注意が必要です。

 

証拠金維持率が下がりロスカットになる

レバレッジ取引は、ロスカットリスクが高くなるので気をつけましょう。レバレッジをかけると取引金額が大きくなるため、多額の損失を抱える可能性があります。損失が多くなると証拠金維持率が下がり、一定基準を下回ればロスカットになります。

 

ロスカットになると全ポジションが強制決済され、投資資金の大半がなくなるため注意が必要です。ロスカットリスクを低減するために、十分な証拠金維持率の確保や徹底した損切りをするなどの対応が大事です。