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事件は2015年の1月15日に起きた
スイスフランショックの概要としては「短時間で相場が急激に変動した」ということになっていて、これによって多くのトレーダーが強制ロスカットになり、市場が恐慌状態へと陥った事件のことを指します。
事件が起きたのは2015年の1月15日午前10時30分でした。
スイス国立銀行が1つの発表を行ったことによって、スイスフランの買い注文が殺到し、わずか20分ほどの時間で世界中の通貨が暴落し、スイスフランが暴騰するという事態になりました。
どれくらいの変動だったのかというと、米ドル/スイスフランで2,820pips、スイスフラン/日本円では3,947pipsとなっています。
この事件によって多くのトレーダーが強制ロスカットの憂き目にあうという事態になっていますが、強制ロスカットが間に合わなかったケースも多く、世界中のトレーダーが破産したのも事件が歴史に刻まれるようになった要因の一つでしょう。
通常、口座内の証拠金維持率が低くなると、強制ロスカットをすることによって必要以上のマイナスにならないように守る機能があります。
しかし、スイスフランショックのように短時間で急激な変動があった場合には強制ロスカットが間に合わなくなることもあり、その結果として多くのトレーダーが破産してしまいました。
スイスフランショックによって破産してしまったのはトレーダーだけではなく、海外で人気の証券会社も破綻しています。その証券会社の名前は「アルパリLimited」で、イギリスの証券会社です。
アルパリグループは日本にも法人を持っていて、多くの日本人が利用していた証券会社ですが、スイスフランショックによって全口座のポジションが強制決済されて、新規ポジションの保有や入金、新規口座開設などができなくなりました。
不幸中の幸いとして、日本国内のFX会社は顧客資産をすべて信託保全することが義務付けられていたので、預けていた資金は全て手元に戻ってきたのですが、戻ってくるまでは生きた心地がしなかったトレーダーも多いでしょう。