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現場の悲惨な実態…「人海戦術でどうにかする」の末路
特に、事業所を全国、あるいは海外も含めて複数保有する大企業においてほど、それぞれの事業所におけるさまざまなデータ類を本社で一元管理できる統一的なシステム、データベース構築ができている企業はあまりないのではないでしょうか。
それぞれの事業所において、最適と思われる調達によってシステムベンダーが選定され、そのデータベースの構成にも企業としての統一はなく、会社全体としての互換性に難がある場合がほとんどではないでしょうか。
それでも売上や利益などの財務データについては、全社的な管理系の統合システムが導入されているでしょうが、例えば、エネルギー、水、廃棄物などのユーティリティ関連のデータについては、ほとんど統合はできていないようです。
「いや当社は必要なデータは本社に集まっているよ」という反論も聞こえてきそうですが、現場レベルにおいては、そうしたデータの収集とレポートづくりを人海戦術で行っているのではありませんか。
本来、集まったデータを分析し、その分析から無駄の改善・原価の低減や次なる施策への展開、さらには新しいビジネスの創出までを考えるべき優秀な人材が、単にデータの収集と経営層へのレポート作成に時間を費やしている現場になっているのでは。
このような現場レベルでのデジタル化の遅れは、どれほど自社の生産性向上の足枷となり、結果として企業としての競争力を削いでいるのか、企業経営者はこのことをはっきりと認識すべきです。
日本企業において、なぜこれほどデジタル化が遅れてしまったのか?