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すべての始まり…「フィリピンパブに行かないか」
ご多分に漏れず、吉岡さんの南国への入り口は、フィリピンパブである。
吉岡さんは、四国のとある山間(やまあい)の町で生まれ育った。地元の高校を卒業してから大手警備会社で働き続け、15年ほどが経ったある日、同僚から「フィリピンパブに行かないか」と誘われたのが、現在に至るすべての始まりだった。
25歳の時に結婚した日本人女性とは離婚し、吉岡さんは県営住宅で息子と娘の2人を育てていた。
「同僚がフィリピンパブにはまっていました。彼が指名していた女の子の友達が恋人欲しいと言うから、それで俺が連れていかれて。本当は行きたくなかったんです」
ところが行ってみると、意外にも楽しんでいる自分がいた。
フィリピンパブにはまる中高年の男性に多いのが、それまで日本のキャバクラや夜の繁華街で遊んだ経験がほとんどない人たちだ。だからそういう刺激的な世界に放り込まれ、これまで経験したことのないおもてなしを味わうと、こう錯覚してしまうのだ。
「俺も捨てたもんじゃないなあ」
吉岡さんもまた、そんな1人だった。その日は夕方に入店し、結局はそのまま閉店まで飲み明かした。
「指名した女の子は正直、それほど好みではなかった。でも楽しかったんですよ。その子が片言の日本語で話すのが面白くて。それで次の週の日曜日に4人でデートしようという話になりましてね」
このダブルデート以降、吉岡さんは毎週末に店に通うようになった。初日に指名した18歳のジーナさん(仮名)に会うためだ。そのうちにジーナさんから自宅やポケベルに連絡が入り、平日にもいきなり呼び出されるようになった。
「金欠」を理由に断ろうとすると、「1000円だけ持ってきて」と言うので、その言葉通りに足を運んでみると、店の外でジーナさんから基本セット料金の3000円を現金で手渡された。そんなことが数回続いた。
「ジーナは自腹を切ってでも来て欲しかったのか。これは俺に惚れてるのかな? なら真剣に考えてみよう」