知名度抜群の国内ビール大手4社。これらの企業に勤務する人は、どれほどの給与をもらっているのでしょうか? 有価証券報告書などから探っていきます。
「大手ビール4社」の平均年収…「ビール会社は高給」噂の真相に迫る (※写真はイメージです/PIXTA)

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キリン、アサヒ、サントリー、サッポロ…大手4社の熾烈なシェア争い

オミクロン株の出現で緊張が走っている昨今ですが、新型コロナウイルス感染症の新規感染者は低い水準で推移しています。そんな状況下、「外でお酒が飲めるのって幸せ!」と喜びでいっぱいの人も多いことでしょう。

 

総務省『家計調査家計収支編』(2020年)によると、家計で最も支出額が多いお酒はビール。都道府県別では「北海道」が最も“ビール好き”で、年間1万8,269円。「秋田県」「大阪府」「滋賀県」「神奈川県」と続きます(関連記事:『都道府県「お酒の消費額」ランキング…1位「北海道」、47位「和歌山」の2倍も出費』)。

 

国民的お酒ともいえるビールですが、熾烈なシェア争いはたびたびニュースになります。ただ「過度なシェア争いに繋がる」と、アサヒビールは販売数量の公表をやめています。

 

残り大手ビール会社3社の2020年の販売実績(ビール、発泡酒、第3のビール)をみてみると、キリンビールは1億2,941万箱、サントリーは5,675万箱、サッポロビールは3,995万箱でした。そこからシェア首位はキリンビールで37.0%、2位はアサヒビールで35.4%。3位はサントリーで16.2%、4位はサッポロビールで11.4%と推測されます。

 

そもそも日本のビール、大手4社によって作られてきたといっても過言ではありません。明治時代初頭、外国人によってビール造りが始まりましたが、1877年にはサッポロ、1888年にはキリン、1892年にはアサヒがビールの製造を開始。1899年に葡萄酒の製造を始めたサントリーは、1963年にビール業界に参入。大手4社体制となりました。

 

そのシェアは、キリン、サッポロ、アサヒ、サントリーという時代が長く続きましたが、1987年に発売したアサヒビール「スーパードライ」が記録的ヒット。一気に首位に躍り出ます。その後、アサヒビールとキリンビールが熾烈なトップ争いを繰り広げる一方、2008年位はサントリーがサッポロビールを抜き、現在に至ります。

 

ちなみに沖縄県ではシェア1位を誇るというオリオンビールは、全国的にはシェア0.9%といわれています。

 

そんなビールですが、350ml缶であれば4割強は税金。発泡酒、第3のビールで税額は異なりますが、酒税法の改正で、2026年10月には350mlあたり54円25銭に統一。「家計にやさしいから、第3のビールを」という光景は見られなくなるかもしれません。