厚生労働省の調査で産業別に給与事情をみていくと、最も高いのは「銀行・保険業」。やはり「金融マン」はイメージ通りの高給のようです。そのなかでも“メガバンク”と称される銀行は、どれほどの給与なのでしょうか……気になるところです。有価証券報告書から、平均給与を探っていきましょう。
「メガバンク」3行の平均給与…エリートの代名詞、さすがの給与額 (※写真はイメージです/PIXTA)

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平成初期13行あった都市銀行…合併の歴史

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』で産業別*の給与をみていくと、最も高いのが「金融・保険業」で、男性会社員の場合、平均47万9,200円。賃金カーブをみていくと、50代前半で63万6,100円とピークに達します。もちろん、大手と中小で給与に差はありますが、「憧れのエリートサラリーマン」を叶えるなら、まずは「金融・保険」を狙う、というのもひとつの手かもしれません。

 

*日本標準産業分類に基づく16大産業[鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究,専門・技術サービス業、宿泊業,・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業(その他の生活関連サービス業のうち家事サービス業を除く)、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービ ス事業及びサービス業(他に分類されないもの)]

 

そんな「金融・保険業」のなかで代表格なのが、いわゆる「三菱UFJ」「三井住友」「みずほ」といったメガバンク。昨今はすっかり都市銀行という言い方は聞かなくなりましたが、最盛期の1970年初頭には15行もあり、その後、「第一銀行」と「日本勧業銀行」が合併して「第一勧業銀行」に、「神戸銀行」と「太陽銀行」が合併して「太陽神戸銀行」となり、平成が始まるまでは、「富士」「三菱」「住友」「三和」「三井」「東海」「大和」「協和」「東京」「埼玉」「北海道拓殖」の計13行がありました。

 

それがどのように集約していったのか、振り返ってみましょう。

 

まずは「三菱UFJ」。1996年に「三菱」と「東京」が合併し「東京三菱銀行」が誕生。2002年には「三和」と「東海」が合併し「UFJ」が誕生。2006年に両社が合併し「東京三菱UFJ」、2018年には現名称に変更されました。

 

続いて「三井住友」。1990年、「三井」と「太陽神戸」が合併し「太陽神戸三井」が誕生し、92年には「さくら」に名称が変更されます。2001年に「さくら」と「住友」が合併し「三井住友」が誕生。

 

最後に「みずほ」。2002年「第一勧業」「富士」「日本興業」が合併し「みずほ」が誕生。ちなみに「富士」は戦前は「安田」でした。

 

ちなみに平成初頭に存在した「大和」と「協和」は、現在の「りそな」。13行のうち、唯一「北海道拓殖」だけが破綻しました。

 

ざっと系譜だけ記すと上記のようになりますが、実際はもっと複雑。たとえば「三井住友」は2003年に子会社の「わかしお」と合併し、「わかしお」の行名を「三井住友」に変更しています。「みずほ」は2013年、「みずほコーポレート」が吸収合併し商号を「みずほ」に変更。本店は「みずほコーポレート」を継承しています。

 

ちなみに、最新のメガバンク含む銀行業界の経常収益は以下の通りです。

 

第1位「三菱UFG FG」6兆0,253億3,600万円

第2位「三井住友FG」3兆9,023億0,700万円

第3位「みずほFG」3兆2,180億9,500円

第4位「ゆうちょ」1兆9,467億2,800万円

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第6位「りそなHD」8,236億0,000万円

※すべて2021年3月通期 連結