そんな米ドル高・円安見通しにとっての「リスク・シナリオ」は、やはり米国株でしょう。先週の米国株は、いわゆる米国債デフォルト懸念が後退したことなどをきっかけに反発に転じましたが、NYダウで見ると、コロナ・ショック後、依然として株高がサポートされてきた120日MA割れ含みの状況が続いています(図表4参照)。
そもそも、NYダウの120日MAからのかい離率で見ると、9月以降の株安は、それまでの保合いを下放れた動きのようにも見えます(図表5参照)。かりに、保合い下放れなら、教科書的には保合いの下限、3万5千米ドルを回復するまでは続落リスクに要注意です。米ドル高・円安シナリオに修正の必要が出てくる可能性があるなら、それは米国株安リスク次第だといえるでしょう。
吉田恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
【関連記事】 ■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】 ■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」 ■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ ■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】 ■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】